「出産前は胎動が少なくなる」はウソ? 覚えておきたい胎動のセルフチェック法
赤ちゃんの存在を直に感じることができる「胎動」。いつから感じるのか、回数に問題はないかなど、疑問や不安をかかえる妊婦さんも多いのではないでしょうか。 【解説】エコー写真のアルファベットは何を意味している? 産婦人科専門医・遠藤周一郎先生の著書『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』より、胎動の基礎知識、そして自分でできるセルフチェック法を抜粋してご紹介します。 ※本記事は、遠藤周一郎著『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』(KADOKAWA)より、一部を抜粋編集したものです。
20週になっても胎動を感じないのは異常?
「胎動を感じ始めるのは20週前後!」と、ネットや多くの情報誌で説明されていますが、感じ方は本当に人それぞれ。実際に私も、健診で12週くらいの妊婦さんから、「胎動を感じる!」と言われたこともあります(さすがに胎動ではなかったと思いますが……)。 また初産の妊婦さんは、もちろん「胎動ビギナー」なので、自覚しにくいこともありますよね。週数が進み、25週くらいになると誰もがわかるくらい赤ちゃんが動き始めるので、気長に待ってください。大切なのは、胎動を1日に何度も感じるようになってから、急に胎動回数が減少するのはあまりよくないサインのひとつだということ。 妊婦さんの間では「出産前は赤ちゃんの頭が骨盤にハマって胎動が少なくなる」という都市伝説が語り継がれていますが、それはウソです! 「あれ? 胎動がいつもより少ないような気がする」と感じたら赤ちゃんにトラブルが発生している可能性があるので、きちんと受診しましょうね。 自分で胎動回数をチェックする方法もあるので、読者の方に特別にお教えしましょう~♪ 10カウント法というもので、やり方は簡単! 胎動を感じ始めたと思ったら、「10回胎動があるまでにかかる時間をチェックする」だけです。多くは30分以内に10回の胎動がありますが、赤ちゃんにも個性があるので、のんびり屋さんもいれば、活発でやんちゃな子もいるでしょう。 大事なのは他人と比較するのではなく、自分の赤ちゃんのいつもの胎動回数と比較してどうか? です。また一度くらいなら、いつもより10カウントになる時間が長くても焦らないでOK。赤ちゃんは子宮内で30分ごとに、寝たり起きたりをくりかえしているので、少し時間をおいて、「動き始めたな」と思ったら再度、胎動をカウントするようにしてくださいね。 【遠藤先生の伝えたいこと】 ・胎動の感じ方や時期は赤ちゃんそれぞれ。比較はいつもと同じかどうか ・胎動が減ってきたら、病院で「胎動が減った気がする」と伝えること
遠藤周一郎(産婦人科専門医)