ビシエド独白!ドラゴンズでの未来に複雑な思い ファンへの感謝と今の心境を語る
ナゴヤ球場で気付いた大切なこと、その姿を見た監督・選手たちの思いとは?
かつて首位打者や最多安打、ベストナインなど様々なタイトルも獲得した時代から、今一度基本に立ち返ってきたような口ぶりだった。また、ファームで過ごした時間にもビシエド選手にとって大切な気付きがあった。 ビシエド選手「『野球は楽しい!』ということを思い出しました。ファームで過ごすことで、キューバにいた頃を思い出しました。そして、野球は楽しむことが大切なんだと再確認しました。もちろんプロですから、それぞれの仕事はありますが、一番大事なのは楽しむこと。そういったことに気付かせてくれました。最近、楽しむことを忘れていました。35歳まで野球をしてきて責任感を持つ中で、楽しむということを心の片隅に置いてきた気がします。野球というスポーツはフラストレーションがあるスポーツですけど、大事なのは喜びを持ってプレーすることだということを思い出しました。一軍にいるとどうしても成績が大事になってきますからね。」 どんな状況でも、そこに真摯に向き合って前進しようという前向きな気持ちがビシエド選手にそんな新たな発見を与えた。そしてその変化によって活き活きとプレーするビシエド選手が、周りの人々にも前向きな影響を与え続けている。 井上一樹二軍監督「きっと彼も思うところはあると思うんです。彼の胸中を察するに、モヤモヤしているのは当然だと思う。『二軍は二軍で勝ちにこだわっているんだろ?』とそれに対して『俺は勝利に貢献するぜ』みたいな。そして試合で打った時に一打であったり、守備であったり、いろんな形での野球に対する取り組み方が…みんなと一緒に汗を流して練習してくれる。そこはありがたく思っています。普通にツーベース打って二塁で白い歯を出すビシエドを見ると、すごく野球を楽しんでくれているなという気はします。」 ブライト健太選手「打てなかった試合の後とかも、『シーズンは長いから大丈夫だよ。』とか『変に自分を追い詰めなくて良いよ』ということは言ってくれます。お兄ちゃんじゃないですけど、自分の思っていることも話せますし、すごく良い人だと思っています。」 濱将乃介選手「若手の見本になる、練習の姿勢だったり。バッティングとかでも、僕らにアドバイスくれたりするので、大好きです。タンケのこと嫌いな人いないんじゃないですかね。」 石橋康太捕手「全体練習が終わって、全員が休憩しているときでも、よく打っていたりするので、そういうところであったりワンスイングごとに考えながら取り組んでいるのが見ていてよくわかるのであそこまでやらないと、あのレベルまでいけないのかというふうに思わせてくれます。」 選手たちは皆、現状を思い複雑な表情を浮かべながらも、嬉しそうにビシエド選手を尊敬するエピソードを語っていた。ビシエド選手はプレーはもちろんのこと、練習や何気ない会話においても若手選手にとっての良き師となりチームとしてのドラゴンズを成長させてくれていると感じる。