箱根駅伝上位進出へ、MARCH対抗戦で中央大学が手応え 伊勢路での惨敗を経て、変わった意識「気持ちを強く、泥臭く」
今年で4回目となったMARCH対抗戦が11月23日、東京都町田市の町田GIONスタジアムで行われ、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の選手たちが10000mで競った。最も速いペース設定で行われた最終4組目で中央大の吉居駿恭(3年、仙台育英)がトップと1秒15差の27分44秒48で2位に入り、中央大記録も更新。約1カ月後に控えた箱根駅伝でエースとしての働きが期待される中、「まだ(箱根に向けて)調整なしでやってきて、箱根の苦しいところをイメージしてしっかり粘ることを意識して走った。思ったより終盤まで余裕を持って走ることができた」と振り返った。上位10人の合計タイムで争われる総合優勝は中央大だった。 【写真】先頭争いを繰り広げる中大の吉居駿恭と青学大の鶴川正也
吉居駿恭と本間颯が27分台に突入
最終組には実力者がずらり。吉居のほか、青山学院大からは今季の出雲駅伝1区、全日本大学駅伝2区で連続区間賞の鶴川正也(4年、九州学院)、今年の箱根駅伝2区で区間賞を獲得した黒田朝日(3年、玉野光南)らがエントリーした。レース序盤はペースメーカー(PM)のアレックス・キプチルチル(コモディイイダ)が引っ張り、その後ろに黒田や青山学院大の若林宏樹(4年、洛南)、立教大の林虎大朗(4年、大牟田)、馬場賢人(3年、大牟田)らが続いた。 吉居は10番手前後につけ、1000m通過は2分44秒のハイペースに。その後、青山学院大5人、中央大4人、PM合わせて計10人の先頭集団となり、5000mの通過は14分1秒。PMが外れて中央大の本間颯(2年、埼玉栄)が抜け出したが、7000m付近で集団に吸収された。黒田が先頭を引っ張る中、残り2周で先頭争いは黒田、本間、吉居、鶴川の4人に絞られた。残り200mで吉居がスパートをかけるも、ついてきたのは鶴川。吉居は最後の直線で鶴川にかわされて2着だった。「本当は(早めに)仕掛けないといけなかった。タイムはいいんですけど、目的通りの走りはできなかった」。ただ、言葉とは裏腹に悲壮感は感じられず、レース直後は決意に満ちた表情が印象的だった。