管理職の人事制度改定 日本ガイシ、来春から導入
日本ガイシは19日、管理職にあたる「基幹職」の人事制度を、約20年ぶりに大幅改定し、来年4月から導入すると発表した。等級や評価制度の見直しに加え、役職定年も廃止する。また社員が従事したい仕事に立候補できる社内公募制度を拡充させるほか、求める人材を他の部門からスカウトできる制度も始める。管理職のモチベーション向上や優秀な外部人材の確保などが狙い。 等級制度では、マネジメントと実務の双方の能力が必要となる従来の等級に加え、マネジメントと実務のそれぞれに特化した等級を新たに設けた。実務能力が高くても、マネジメントが苦手な社員など、多様な人材がそれぞれの強みを発揮できる仕組みとした。 また評価制度では達成した成果に加え、基幹職としての1年間の行動を評価する「行動評価」を組み合わせ、翌年の年収に反映させる。評価によって、昇給だけでなく、給与が下がる可能性も含む。 また58歳となっていた役職定年制を廃止し、役職を最長6年の任期制にする。定年である65歳までの社員が誰でも役職につける可能性が生まれる。ベテラン社員のモチベーション向上に加え、年齢を問わない適材適所の人材配置を推進する。加えて基幹職の年収水準も現制度比で10%ほど引き上げるほか、将来的には株式報酬の導入も進める考えだ。
適材適所の人材配置に向けては、社員の経歴やスキル、キャリアプランを記載した、キャリアシートを充実させるほか、職務内容や必要なスキルを記載した、「ジョブディスクリプション」を開示。社内公募や、スカウト制度の利用活発化を狙う。 スカウト制度導入や社内公募の拡充について、人材統括部所管の稲垣真弓取締役常務執行役員は「会社としては、人材の適材適所を進めやすくなる。また社員にとっても、自身のキャリアを広い視点で検討することができる」と強調した。