日大が記者会見 前理事長逮捕受け(全文3)授業料に手を付けることがないよう、最大限の努力を
学生に被害が及ぶ可能性がないとはっきり言い切れるのか
朝日新聞出版:朝日新聞出版の【イイヅカ 01:06:14】と申します。保留になっていた私学助成金の交付について、来年1月に最終判断が下されますけれども、学生や教授の間では、交付の結果次第で学費が近い将来値上げするんじゃないかと不安視する声も上がっています。学費値上げなどで学生に被害が及ぶ可能性がないとはっきり言い切れるのかどうか、不安視する学生に対してお言葉をいただきたいです。 加藤:最終的にどのくらいの、75%、50%、25%と、また最大になりますと100%ということも考えられます。本学としてはなるべくこのペナルティーについては厳粛には受け止めますが、われわれの負担が少ないように少し願っているところでございます。ただ、これは現実問題としてどのくらいされるかによって対応は異なってまいります。できれば授業体制、授業料について手を付けることはないように、最大限の努力をしてまいります。 今でも学生の、先ほど申し上げましたとおり、学生支援については日本大学はおそらく全国の大学の中で一番支援してるというふうに自負していますけれども、それも含めてなるべく今の体制を続けていきたいというふうに考えているところではあります。 ただ、財政面においては厳しいことが予想されますので、その辺のところはその処分に応じまして対応していくということでご理解いただければと思います。よろしくお願いいたします。 司会:続いていかがでしょうか。それでは、向こうから2番目の列の後ろの方、お願いします。
はっきり言ってしまえば怖かったのか
毎日新聞:毎日新聞の大久保です。2点伺いたいんですけれども、まず、田中さんの体制が歯止めが利かなかったということに関して再三質問が出ておりますけれども、それで確認なんですが、悪質タックル問題が日大においてあったと思います。そのときに井ノ口さんに問題があるということでいったん排除されて、また戻ってこられたということがありました。 それで、田中さんと井ノ口さんが親しいっていうのは当然理事会で分かっていたと思いますし、その辺りをどうして問題視しなかったのかというところですね。田中さんが、はっきり言ってしまえば怖かったのか、それとも非常に権限があるので予算的な部分で、例えば教学部門は口を出しづらかったのかとか、どうして田中さんと井ノ口さんに明らかに問題があるのに口が出せなかったのか、その辺りを理事の方にどの程度ヒアリングができているのか分かりませんけれども、それが分からなければ加藤さんも理事でずっといらっしゃったので個人的にどうだったのかというところも含めて伺いたいというのが1点です。 それから2点目が、日本大学は伝統的に一般教職員の意見が経営に反映されやすい総長制を敷いておられたと思いますけれども、この間、私立学校法の改正とか、学校教育法の改正も一定絡んでいるのかもしれませんけれども、かなり理事会、理事長に権限を寄せていったというところがあると思います。 その辺りが、今回の事態を招く上で一定影響があったと考えておられるのかどうか、それから今後の体制の刷新においては総長制の復活とかもしくは学生さんの意見を聞くシステムがないという意見も出ているんですが、その辺り、どのように改善していくのか併せて伺いたいと思います。 加藤:はい。分かりました。井ノ口氏がアメリカンフットボール事件のときに問題となり、自ら辞任したのになぜ浮かび上がってきたのかということについては、もう一番大きい問題でございまして、今回、私どもも一番の問題点であるというふうに、先ほど原因のところで申し上げましたが、認識しているところでございます。 1つは事業部のまず取締役として、最初は確か、昔は部長だったと思うんですが、取締役として入っている、または校友会大阪支部長として復活してくるという経緯がございました。大阪支部長として評議員に入ってくる。実は評議員についても、それから理事についても一番大きい問題というのはチェック機能がないことなんですね。