トルコで古代のレスラーを称える2000年前の碑文を発見! 国際大会も開催されていた?
トルコ南部にあるアネムリウムは地中海に面した場所にある古代都市遺跡で、フェニキア人によって紀元前1世紀に創設された。アジアとヨーロッパを繋ぐ港湾都市として栄え、ローマ帝国やビザンチン帝国の支配を受けながら、西暦7世紀まで壮大な公衆浴場、教会、劇場を備えた大きな集落が営まれていた。 この遺跡地区は2.4平方キロメートル(東京ドーム約51個分)の広さがあり、同地域で最も人気の高い観光スポットの1つとなっている。2018年からはトルコ文化観光省とセルチュク大学により、メフメット・テコジャック教授の指揮のもと発掘調査が行われている。調査は継続的に行われており、これまで同地域から新たに発見された4つの遺跡がユネスコのリストに追加され、アネムリウムを含む3つの遺跡がユネスコ世界遺産への登録申請を準備中だ。
そんなアネムリウムで、古代の碑文が発見された。アートネットが伝えるところによると、大きさは1メートル20センチ×50センチ、500キログラムで、およそ2000年前のものと考えられている。碑文は完全な状態で、古代ギリシャ文字で13行の文章が記されていた。このように破損なく発見されたのは、この地域では今回が初めてだ。 研究者が碑文を解読したところ、レスラーのカイキリアノスが5年ごとにその都市で開催されているレスリング競技の第2回大会で優勝したことを称賛していた。また、レスリング競技の詳細が記されており、フラウィアヌスという主催者の名前まで記載されていた。 このことから、研究者たちは、この碑文は古代のレスラーを称える像の台座であった可能性が高いと推測した。そしてアネムリウムは、この地域におけるスポーツの重要な拠点であった可能性があると考えている。というのも、この遺跡で古代のレスリング学校だったであろう体育館や競技場が見つかっているからだ。テコジャックは、「オリンピックレベルの大会」がこの地域で開催されていた可能性があると主張する。今回の碑文の発見については、「私たちにとって重要な進歩であり、アネムリウムのスポーツ文化に対する新たな洞察をもたらすことでしょう」と語り、更なる調査に意欲を燃やしている。