全米メディアは大谷翔平のMLB史上初となる二刀流球宴選出と31号にダブル注目「なぜベーブ・ルースはできなかった?」
喜びの二重奏だ。エンゼルスの大谷翔平(27)が4日(日本時間5日)、本拠地で行われたオリオールズ戦に「2番・DH」でスタメン出場し、3回の第2打席にカウント2-2からトーマス・エシェルマン(27)のスライダーを捉えてバックスクリーンに140メートルの特大の31号ソロ。松井秀喜氏が2004年に作った日本人最多本塁打記録に並んだ。またすでにファン投票でDH部門での出場が決まっているオールスターゲーム(13日・コロラド州デンバー、クアーズフィールド)に選手間投票で、ア・リーグの5人の先発投手の1人として選ばれた。投打二刀流での選出はメジャーの球宴史上初。全米メディアも大谷の快挙を大々的に報じた。
被弾の右腕は「大谷はスペシャルな選手」
米ヤフースポーツは、「大谷がオールスターで打者と投手で選ばれたMLB史上初の選手へ」との見出しを取り、メジャー球宴での二刀流選出の偉業にフォーカスした。 「新たな1日、新たな伝説が大谷によって作られた」と称えた上で「1916年に防御率タイトルを獲得したベーブ・ルースが、なぜオールスターゲームに投手として出場したことがないのか疑問に思うだろう。だが、オールスターゲームはベーブ・ルースの22年のキャリアで(晩年の)20年目に入る1933年まで行われていなかったのだ。ルースはオールスターに野手として2度だけ出場した」と、大谷のメジャー球宴での二刀流実現が史上初となった理由を説明した。 元祖二刀流のベーブ・ルースの全盛期にはメジャー球宴がまだ始まっていなかったのである。 ちなみに1933年に始まったメジャー球宴は、野球ファンの少年からの「ベーブ・ルースとカール・ハッベルの対決が見たい」という投書があったからとされている。この真偽は疑わしいらしいが、ベーブ・ルースありきでスタートしたメジャー球宴で大谷が二刀流を実現するのも因縁深い。 MLB公式サイトは、「大谷が野手と投手の両方で初めてオールスターに選出されるという歴史を作ったのは理にかなっていた。同じ日に、二刀流スターは、またもう1本、完璧に本塁打で(相手を)打ち砕いたのだ」と、大谷がやってのけた2つの出来事を称賛した。 先週のヤンキース戦、オリオールズ戦で1試合2本塁打を2度やってのけたことを伝えた上で、この日のエンゼルスのジョー・マドン監督のコメントを紹介した。 「彼がバットをスイングすれば、たとえミスショットをしたとしても、ホームランのように見える。見るのが本当に楽しい」 また「大谷にとって31本目の本塁打は、松井秀喜の持つ日本人選手のシーズン最多記録に並んだ。大谷は78試合で31本に到達したが、松井は2004年に162試合で31本だった」と、そのペースの早さに注目。「記録に並ぶ一打はエシェルマンが2-2で投げたスライダーからもたらされ、彼は、その制球が良くなかったことを残念がった」とし、エシェルマンの「彼に打たれたスライダーは沈まなかったが、最初の打席は打ち取った(三振)。彼は今このリーグで本当にスペシャルな選手で、かつて成し遂げられなかったことを行っている。私は、このようなタイプの選手と対戦するのは楽しい。だが、(本塁打の場面に)もう一度、投げ直して、(変化球を)ワンバウンドさせ彼にその上をスイングさせるようにできていたらと思う」とのコメントを紹介した。