心が疲れきってしまったときは…自分の思考のクセ=スキーマを知ってストレスに対処。
〈 40代・50代女性が抱えるストレス 〉
●仕事 上司と部下のあいだで板挟みになったり、オーバーワークで心が悲鳴をあげたり。キャリアの長さに比例して大きな重圧になることも。 ●家族 夫の無理解、年老いた親の介護や見守り、きょうだいとの確執、子どもの不登校など、"家族"だからこそ、悩みが深まりやすい。 ●環境 地方移住、子どもの独立、介護同居など、環境が変化するタイミング。新しい環境になじむまでは、孤独になりがちで心に負荷が。 ●体調 更年期、閉経期の女性の体は嵐のよう。心がついていかず、うつ症状が続くことも。休息をとりつつ心のサインも見逃さないで。 ●将来 仕事はいつまで続けるか、住まいはどうするか、お金は不足ないか、大きな病気になったらどうしようと、老後には不安がつきない。
ストレスの背景、スキーマについて知ろう。 あなたの心のクセはどれ?
ストレスを深掘りすると、幼いころの生活環境による「早期不適応的スキーマ」にたどりつく。 代表的な9つのタイプのスキーマのうち、どれが自分にあてはまるか気づくことで対処法が見つかりやすくなる。
「誰もわかってくれない」タイプ
人は誰しも「理解されたい、愛されたい、守られたい」という欲求がある。それが満たされるのは、親から無償の愛情を注がれたからこそ。 「自分は理解されている、愛されている」という安心感がないまま育つと、「わかってもらえないスキーマ」が形成される。大げさな愛情表現をしたり、求めたり、あるいは誰に対しても距離をとろうとするのは、このスキーマからくる思考と行動だ。
「ひとりでは何もできない」タイプ
責任ある仕事をまかされるのが不安、指示がないと動けない。プライベートでも、ひとりでカフェに入れず、どの店でランチを食べるかも決められないなど、ささいな判断も人まかせ。 これは「無能・依存スキーマ」のしわざで、たとえば、幼いころ親から過剰な保護や干渉を受けて育った結果。課題を先送りにしたり、「自分には無理」とあきらめがち。一方で自己解決を急ぎすぎることもある。
「どうせうまくいかない」タイプ
「どうせわたしなんてダメ」「どうせうまくいかない」と、「どうせ」が口グセになっている人は、「否定・悲観スキーマ」を持っている人。 心配性、マイナス思考の超強力版で、行動は消極的。新しいことに取り組む意欲もうすく、現状維持を強く望んでいる。やる気になっている人に対して「どうせムダ」と水を差してしまうのは、楽観的で明るい性格の人をうらやむ気持ちの裏返し。