ラ・リーガ開幕戦で実現した久保建英と岡崎慎司の歴史的競演はドロー…2人はどんなプレーで競ったのか?
終了間際の51分には敵陣で不用意にボールを奪われ、失点にこそつながらなかったものの、自軍のゴール前までボールを運ばれるカウンターを発動されてしまった。ゴールにつながるプレーを求められて途中投入されていただけに、気負いの方がやや目立ってしまった形となった。 前線からのプレスをさぼらず、攻守も素早く切り替えていた岡崎の献身的な姿に、再び感銘を受けたのではないだろうか。西野ジャパンがベスト16へ進出した、2年前のロシアワールドカップ。当時17歳の久保を含めたU-19日本代表はトレーニングパートナーとして、ベースキャンプ地カザンで西野ジャパンと同じ時間を共有し、コロンビア、セネガル両代表と戦ったグループリーグを観戦した。 帰国後はFC東京のトップチームではなく、当時J3 へ参戦していたFC東京U-23へ合流。リーグ戦を翌日に控えたミーティングで、チームメイトたちの前で披露したロシアからの土産話に驚かされたと、安間貴義監督(現FC東京トップチームコーチ)が目を細めたことがある。 「印象に残る選手を聞いたら、建英は『岡崎選手の攻守の切り替えの速さが半端なかった』と言ったんですね。以前の彼ならば、そういった点に着目することはまずなかったので」 FC東京の主力を担った2019シーズンの前半戦で、潜在能力を解き放つかのように急成長。18歳になった直後の昨年6月にレアル・マドリードへ完全移籍した要因のひとつには、ロシアの地で目の当たりにした岡崎の愚直な、ヨーロッパを含めたサッカーの世界で普遍的に求められる姿があった。 忘れられない夏から2年あまり。飛躍へのきっかけを与えてくれた岡崎と、真価を問われる新天地での初陣で邂逅したことに不思議な縁を感じずにはいられない。エメリ監督の熱いラブコールを受けてスタートさせた、ビジャレアルでの戦いは現地時間19日の次節で、同じくロシアワールドカップの舞台で2ゴールをあげる活躍を演じた、FW乾貴士を擁するエイバルをホームに迎える。