代表復帰した33歳・岡崎慎司が背番号「9」剥奪を「ありがたい」と言う理由
逆境に直面したときほど反骨心をたぎらせ、一気にモチベーションをあげていく。キリンチャレンジカップを戦う森保ジャパンに、フィールドプレーヤーの最年長として招集されている33歳、FW岡崎慎司(レスター・シティ)のメンタル面が絶好調モードに入ってきた。 昨夏のワールドカップ・ロシア大会以来の日本代表復帰を果たした岡崎だったが、5日のトリニダード・トバゴ代表戦はまさかのベンチ外。豊田スタジアムのメインスタンドからGK川島永嗣(RCストラスブール)、DF中山雄太(PECズヴォレ)、そして18歳のMF久保建英(FC東京)とともに、25本ものシュートを放ちながらスコアレスドローに終わった一戦を見届けた。 岡田ジャパン時代の2008年10月に日の丸デビューを果たしてから、リザーブに回った試合はあっても、ベンチから外れた記憶はほとんどない。それでも、歴代4位タイの116キャップを獲得してきたベテランは「そんなに甘い世界じゃないので」と、非情な現実を受け止めた。 「今シーズンの結果ならば呼ばれないのが普通だと、自分に対しても厳しく思ってきたので。ただ、この(日本代表という)場所にいることは先につながる。悔しさもそうだし、日本代表の景色、仲間たちの景色をスタンドから見ることも活力にできる。テレビで見るのと、自分が出ていればと考えながらスタンドから見るのとはまったく違う。ここにいないと、そういうことも感じられないので」 ベンチ外を告げられたのは、トリニダード・トバゴ戦前日の4日だった。森保一監督からは「コパもあるので」と、引き続き岡崎が招集されているコパ・アメリカとの兼ね合いで、キリンチャレンジカップにのみ招集された選手をまずは優先させたいと説明を受けた。 日の丸への憧憬の念を常に抱いてきた岡崎にとっても、今回の復帰はサプライズだった。2018-19シーズンは21試合に出場するも、先発はわずかに1度。しかもストライカーではなく中盤としての役割を託される状況がほとんどで、ヨーロッパにわたって9シーズン目で初めて無得点に終わった。 不本意な結果に終わった要因を探っていくと、右足首の負傷を抱えながらも南アフリカ、ブラジル両大会に続いて代表に選出され、グループリーグの3試合に出場したロシア大会に行き着く。けがの回復が長引いたことでプレミアリーグの開幕にも出遅れたが、岡崎は「後悔はない」と言い切る。