ゴーン前会長の弁護人、弘中惇一郎氏が会見(全文1)大変奇妙な刑事事件
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の弁護人を務める弘中惇一郎弁護士が4日午後、東京都千代田区の外国特派員協会で記者会見を行った。 【動画】ゴーン前会長の弁護人、弘中惇一郎氏が会見 3回目の保釈請求 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「ゴーン前会長の弁護人、弘中惇一郎氏が会見 3回目の保釈請求」に対応しております。 ◇ ◇
ゴーン氏弁護団の現状と保釈請求
司会:すいません、通訳が全部やるのがあれなので、弘中先生を日本語で紹介する必要はないと思いましたので、そこの通訳は省きます。 あと、日本語で質問していただいてももちろん構いません。日本語で質問していただいたときは、通訳がその質問を英語にする時間を少し間を取るようにしてください。それではよろしくお願いします。(英語) 弘中:ご紹介いただきました弘中です。こういうとこで話をする機会をいただいて、大変光栄に思ってます。今から3週間ぐらい前ですかね。2月の半ばに弁護人になることになって、現在、河津博史弁護士、それから高野隆弁護士と、この2人と私が中心になって3つの法律事務所で刑事の弁護人のチームをつくって動き出したところです。 現在までの活動としては、まず弁護団のチームをつくったこと。それから裁判所との最初の協議をしたこと。そして、先週の木曜日に保釈の申請をしたということが、これまでの主な活動です。順次説明いたします。保釈についてはまた後ほどもう少し詳しく説明しますが、現在裁判のほうとしては、先週の木曜日に検察から証拠の一部が開示されて、それを現在謄写中という状況です。 開示された証拠を見る前に、私共はゴーンさんと何回かヒアリングをしましたし、それから元の弁護士からの引き継ぎもしました。同時にゴーンさんに関する幾つかの本も読んできました。それから考えるともう、大変この事件は奇妙な事件だという気がしております。事件の内容としては金融商品取引法違反、すなわち彼が毎年もっとたくさん報酬をもらってるというふうに報告するべきだったのに、有価証券報告書にはそれが一部しか記載されてなかったというのが1つ。それから2つ目は、リーマンショックのころに彼が行ったスワップ取引について、その損失を日産のほうに一時的に引き受けてもらったという問題です。もう1つは、最後の3つ目は、サウジアラビアのディーラーに対して送金したお金が会社法に違反する、この3つです。 しかし、皆さんもお分かりのとおり、これらの事件は皆ほとんど10年以上前の話です。また日産のほうでも10年以上前から知っていたことばかりです。なんのために今の時点でこれを刑事事件として検察のほうに届け出たのか、大変奇妙な感じがします。細かいことは証拠を見なければ分かりませんけれども、これは常識で考えて刑事犯罪になるような事件ではないんではないかというふうに私は思ってます。それからこの事件の場合には、関係者が世界中に散らばってます。フランスだとか、中近東だとか、あるいは南米だとか、方々に散らばってます。そういう意味では非常に長い時間の間の非常に多くの国の方々を巻き込んでる事件ですので、これからの裁判はかなり大変なものになるだろうと、そういう覚悟はしています。 保釈のことについて、一言ご説明申し上げます。前の弁護人、大鶴さんたちが今年の初めに2回保釈申請をしましたが、いずれも却下されました。私共、新しいチームになって初めて、先週の木曜日に私共としては初めての保釈申請をしました。これまでの経過を踏まえて、証拠の隠滅だとか逃亡ということが疑われないようにいろんな工夫をして、私共なりの説得力のある保釈申請を出したつもりではあります。検察官は保釈に強く反対しています。今のこの時点まで、まだ裁判所の決定はありません。近い将来決定が出ると思いますので、その内容がどういうものであったにせよ、お伝えしたいとは思っております。 最初に私どもでお話ししたいことは以上です。これから先、ご質問、ご意見等あれば伺いたいと思いますが、刑事弁護人という立場上、全ての質問に具体的にお答えすることはできないかもしれません。それはお許しください。ただ、いずれにしてもこの事件が歴史的にも社会的にも大変重要な裁判になるだろうと思っていますので、その経過については正確にお伝えしていきたいと思っています。以上です。