ゴーン前会長の弁護人、弘中惇一郎氏が会見(全文1)大変奇妙な刑事事件
日本の司法制度に問題があるとの海外の評価をどう考えるか
記者4:フリーランスのコバヤシと申します。海外から拘留が非常に長くなっていることに対して、日本の司法制度に問題があるのではないかというのがしきりに流されてきていますけれども、司法界の重鎮として、法律界の重鎮として、この海外の評価についてどういうふうにお考えになりますか。 弘中:私が弁護士になった50年ぐらい前のときには、拘留はこんな長くなかったんです。起訴されるとすぐ保釈になるというのがむしろ当たり前な時代でした。それがだんだんその拘留が長くなって、ちょっと前、例えば鈴木宗男さんなんかは四百数十日拘留されました。あの無罪になった村木厚子さんでも160日ぐらい拘留されてるんですね。ですから、今そのやっと裁判所が少しはその反省が出てきて、以前よりは少しは保釈が認められやすくなってきているというのは潮流です。今の日本のこの拘留は、人質司法と呼ばれるぐらい、つまり検察官の言うとおりに自白をしないと、その罰としていつまでも拘留を続けるということになってまして、これは大変各国から批判が多いところです。私どもとしてもそういう状況を訴えて、1日も早く保釈を取るようにしたいと思っています。 もう1点補足しますと、本来であれば、検察官は有罪にできるだけの証拠が集まったと思って初めて起訴をするわけですね。だからこそ刑事訴訟法では、起訴された被告人には保釈を受ける権利があると、権利となっているわけです。ところが検察官は、まだまだ自信がないと。もしかしたら自分の証拠が弱いかもしれないという、そういうもう心配事から、なんとか被告人の防御権を弱くしようということで拘留を長引かせるわけですが、これは極めてアンフェアだというふうに私は思っています。 【書き起こし】ゴーン前会長の弁護人、弘中惇一郎氏が会見 全文2に続く