佐々木朗希はどこまで活躍できる!? 海外FA・ポスティング「MLB挑戦組」実力ガチ査定!!
■35歳での復活劇。菅野智之の挑戦 23歳の若さで挑戦する佐々木に対し、35歳で海外FA権を行使した菅野智之(巨人)はMLBでどれだけやれるのか? 「腰や肘の不安はあるし、35歳を過ぎてからの長期契約は、MLBで実績のある投手でもダルビッシュ有(パドレス)ら一部だけ。その厳しさは菅野本人も理解しているはずです。単年15億~20億円程度でローテの一角を埋めたら十分という考えの下、2年目のオプション付きで条件提示する球団が多いのでは」 35歳でこのような高額契約が見込めるのは、昨季の4勝から一転、今季15勝3敗で最多勝&最高勝率の2冠に輝く復活劇を果たしたからこそ。改めて、今季の菅野の投球について解説してもらおう。 「今季は投球時の腕のアングルを上げて、よりNPBに特化した投げ方に。従来はスライダー投手という印象が強かったのですが、今季はフォークの威力が明らかに増しました。フォークが良いのはMLBで結果を残す上でも好都合です。 さらに言えば、昨季後半から球速と球威を取り戻した点が非常に大きい。一度はMLBを諦めた男が復活し、チームもリーグ優勝に導いた上での海外FA。素晴らしいのひと言に尽きます」 この復活劇と似ているとされるのが2002年、当時34歳だった桑田真澄さん(当時巨人)が前年の4勝から一転して12勝を記録し、最優秀防御率のタイトルを獲得した事例だ。 そのためか、桑田さんのMLB挑戦時と比較され、不安視する声も上がっている。だが、お股ニキ氏は明確に反論する。 「MLBで通用するかどうかの要素のひとつは、球の強さ。30代後半でもMLBで活躍した日本人投手というと、39歳までヤンキースで2桁勝利を続けた黒田博樹さんや、36歳で海を渡り、37歳で自己最速を更新した斎藤隆さん(当時ドジャース)がいますが、いずれも球に強さがありました。球速や球威がほぼ全盛期に戻った今の菅野であれば問題ありません」 そして、球速や球威以外にも菅野には大きな武器がある。 「抜群の制球力と多彩な変化球に加え、技術もある。サイ・ヤング賞4回のグレッグ・マダックス(元ブレーブスほか)や、12種類の変化球を操り、今季35歳で16勝のセス・ルーゴ(ロイヤルズ)のように、詰め将棋のような緻密な投球ができる点も菅野の魅力です」 そんな菅野に推す球団はオリオールズだという。 「今季15勝のコービン・バーンズがFA流出する可能性もあるだけに、その穴埋めに同タイプの菅野を狙う可能性は十分あります。 ダルビッシュと松井裕樹のいるパドレスも、菅野と似たタイプのジョー・マスグローブがトミー・ジョン手術で来季全休確定のため、有力候補です。そのほか投手不足のエンゼルスなども候補になります」