佐々木朗希はどこまで活躍できる!? 海外FA・ポスティング「MLB挑戦組」実力ガチ査定!!
■狙うは〝変則枠〟。青柳晃洋の課題 日本での実績という点で注目なのは最多勝、最高勝率、最優秀防御率の投手3冠経験のある青柳晃洋(阪神)だ。 ポスティングでのMLB移籍を目指すが、「変則サイドやアンダースローはMLBでは珍しいから通用する」といった安易な印象論について、お股ニキ氏は否定する。 「ドジャースとヤンキースのワールドシリーズでも両球団に変則サイドがいたように、今や各球団にあの手のタイプはいます」 逆に言えば、各球団にいる〝変則枠〟にハマればMLB契約も見込める可能性がある。実際のところ、青柳の実力はどう判断されそうなのか? 「投球構成や球質で似たタイプに、今季レイズで68試合に登板したケビン・ケリーやジミー・ハーゲット(ブレーブス)がいます。青柳の場合、先発として長く投げるスタミナや投球術があるので、ロングリリーフの適性もあるのは大きいです」 ただし、活躍する上で課題もあるという。日本でも村上宗隆(ヤクルト)、丸 佳浩、岡本和真、坂本勇人(すべて巨人)といったアッパースイングの打者との相性が悪かった。 「MLBの打者はこのタイプが多く、低めに目付けして対応してくるので、配球を再考する必要があります。東京五輪でも青柳のツーシームは海外の打者に攻略されていました。 これを克服するには、スイーパーとツーシームの横の揺さぶりだけでなく、下に落ちるチェンジアップ、高めのフォーシームや左打者へのカッターなど縦の揺さぶりも必要です」 課題は山積みだが、それでも青柳に期待したくなるのは、佐々木や菅野らドラフト1位組とは違うたくましさがある点だ。 「ドラフト5位で入団後、制球力や守備、クイック、変化球といった課題を克服し、ここまで上り詰めた。そんな男がMLBでどれだけ這い上がれるか。注目したいです」 青柳同様、ポスティングでMLB移籍を狙うのは小笠原慎之介(中日)だ。 「今永の活躍に刺激を受け、同じ先発左腕の枠で、というもくろみかもしれません。ただし、今季の飛ばないボール、かつ、広いバンテリンドームでも防御率3点台、5勝11敗では厳しい判断をされかねない。裏を返せば、球速も球種もまだ改善の余地があるともいえます。 カーブとチェンジアップの質を高めることで、岡島秀樹さん(元レッドソックスほか)のような活躍をする可能性もあります」 海外FA権を行使した九里亜蓮(広島)はどうか? 「ツーシーム、スプリットチェンジ、スライダーなどで打たせて取るタイプですが、球速は日本でも速いほうではなく、今のMLBでは厳しいと言わざるをえません。 でも、そこは本人も承知しているはず。結果的にMLBから声がかからない場合は、日本国内での移籍と両天秤にかけながらの交渉になると思います」