【バスケ】B2開幕2連勝の福井ブローウィンズ 琉球をモデルケースに“不毛の地”でバスケ文化醸造目指す
両日で7000人強のブースターが選手を後押し 文化の根付きに手応え
新加入選手の活躍、ゲームプランの遂行に加え、福井ブースターが作り出す会場の雰囲気も、開幕2連勝を呼び込んだ理由の一つだった。 昨季のB3リーグ参入から、未だにホームでの負けを知らない福井。しかし、第1戦では昨季はあまり経験しなかった劣勢の時間も長かった。それでもブースター声援は決してたゆまず、選手たちを最後まで後押しする雰囲気が会場を包みこんでいた。その雰囲気はどこか、沖縄アリーナを熱狂の地へと変える琉球ゴールデンキングスのブースターのそれと似ていた。かつて琉球で指揮を執った経験もある伊佐HCに福井ブースターが作り出す雰囲気について尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。 「昨年、すごく良い成績でB2に上がれたのが相当大きいかなと思います。今日(第2戦)も含めてまだ福井で負けていないという事実が、福井県民のみなさんの応援に対する熱を手伝っているのではないかと思っています。昨年のプレーオフの前から応援の仕方に慣れてきて、本当にチームに勢いを与える応援をしてくれるなと昨年は感じていました。 今シーズンは、相手が信州さんだからということもあるかと思いますし、開幕戦ということもあるかと思いますが、クラブ、フロントスタッフの皆さんが両日で7000人強集めていただいて。昨日(第1戦)は、昨年見られなかったほぼ負けている状態から逆転した、あのようなゲームを見てもらえて、より応援に熱が入ったのではないかと思います。おっしゃるように、琉球のブースターが盛り上がって、選手がそれに反応する感覚というのは、ちょっとは似ているような感じはします」 かつては福井のようにプロスポーツ不毛の地として知られた沖縄だが、2007年に琉球ゴールデンキングスが誕生すると、バスケのカルチャーが一気に根付いた。昨夏には沖縄アリーナでワールドカップも開催され、いまや日本有数のバスケ熱を誇る地域になっている。 福井もチームができて2年目ではあるものの、会場の熱気はすでに他のチームにも劣らないほどになってきている。bjリーグ時代の2007年から10年間を琉球で過ごし、チームのカルチャーやプロバスケの土壌を0から築き上げてきた伊佐HCだからこそ、福井の状況がかつての琉球とリンクしているように感じられたのかもしれない。 北陸高校出身で高校時代を福井で過ごした満田にとっても、感慨深い開幕戦となったようだ。 「本当にやっていて楽しかったですし、第4Qは鳥肌が立ちました。土曜日(第1戦)の4Qのときとかは『すごいな、めちゃめちゃいい環境』だと思いました。本当に最高な環境で今バスケットができてありがたいと思いましたし、それに対して僕たちは結果で応えたいです」 開幕を連勝で終え、ホームでの無敗記録を伸ばした福井ブローウィンズ。2年目にしてチームもブースターもさらに上のカテゴリーを目指す気合いが伝わる。長いシーズンの中で、逆風が立ちはだかるときもあるだろう。しかし、それをはるかに凌ぐ青き旋風がB2を飲み込むかもしれない。
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