天心VS亀田など”ボクシングもどき”が続く状況を危惧しプロボクシング界がついに怒りの声明表明へ
ただ一方で「ボクシング界にも門戸を開放する考えはある。閉鎖的であることは何もプラスにならない。JBCにも公式に認める公開スパーリングというものがある。本当にボクシングをやりたいのであれば、しかるべき手続きを踏んでやってくれればいい」という意見があり、今回の声明にも、その方向性が盛り込まれている模様だ。 何もボクシング界は既得権益を守るため閉鎖的に”鎖国”を貫く考えではない。ボクシング人口も下降線。ルールに則った格闘技界との共存共栄を求めている。 「しかるべき手続き」とは、たとえばイベント参加者のプロボクシングライセンスの取得だ。元UFCの2階級王者、コナー・マクレガーが、ラスベガスでメイウェザーとボクシングルールで対戦したときはアスレチックコミッションが発行するボクシングライセンスを取得してから試合に臨んだ。スーパーウェルター級でありながら8オンスのグローブが使用されるなど、この試合の運営管理にも問題はあったが、メディカルチェックなどの正式な手続きは踏まれていた。またイベントの運営に関しても主催をJBCのプロモーターライセンスを持っている興行主に委託し、安全管理などを徹底することなども「しかるべき手続き」のひとつだろう。 だが、今回の企画は、試合の前後の安全管理も整備されていない”エセ・ボクシング”である。この企画の趣旨には、「ボクシング界の発展のために」という、取ってつけたような、お題目があるようだが、AbemaTVや格闘技界は、そのボクシング界から、怒りや戸惑い、不快感が起き、ついには声明が表明されるという現実をどう捉えるのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)