天心VS亀田など”ボクシングもどき”が続く状況を危惧しプロボクシング界がついに怒りの声明表明へ
JBC(日本ボクシングコミッション)とプロジムのオーナーによる団体の日本プロボクシング協会が、格闘技界や一部ネットテレビが、無許可で目に余る”ボクシングもどき”のイベントを連発させていることに関して危機感を抱き「これ以上看過できない」と一線を引くための共同声明を出す方針であることが20日、明らかになった。 AbemaTVの番組企画として天才キックボクサー、那須川天心(20)とボクシングの元3階級王者、亀田興毅氏(32)のボクシングルールによる対戦が22日に行われるが、これも国内のボクシングを統括しているJBCに無許可の”ボクシングもどき”イベント。大晦日に「RIZIN.14」で行われた元5階級王者のフロイド・メイウェザー(42、米国)対天心のボクシングルールによるエキシビジションマッチなど、ボクシングを食い物にするような”もどきイベント”に歯止めが利かなくなっているため、ボクシングのイメージダウンを危惧するプロボクシング界が、ついに沈黙を破って立ち上がるものだ。 今回の天心vs亀田戦は、5月1日、18日に渡って行われた「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」シリーズのスペシャルマッチとして企画されたもので、これまでの企画同様、ヘッドギア&12オンスグローブで行われる模様。KO決着は考えにくい”スパーリング”のようなものだがJBCの管轄外のイベントだ。 しかもJBCルールでは、ライセンス保持者の他のプロスポーツ、格闘技への参加を特別な許可がない限り禁じている。先の天心への挑戦者決定トーナメントに現役選手はもちろん、JBCのトレーナーライセンス、オーナーライセンス、プロモーターライセンスを持つOBが一切参加しなかったのも、そういう理由だ。 亀田氏も、昨年までは協栄ジムからトレーナーライセンスを取得してWBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(協栄)の世界戦のセコンドにつくなどの活動を行ってきた。本来ならば今回の天心戦は、ライセンス剥奪処分が検討される行為だが、なぜか亀田氏は、今年度のトレーナーライセンスの更新を行っておらず、今回のイベント参加には、なんら支障はない。ただJBC関係者によると「今後の各種ライセンスの再取得は難しくなる」という。 7月13日の和毅と正規王者、レイ・バルガス(メキシコ)との統一戦はJBCの管轄外となる米国で開催されるためセコンドにつくことができるが、このままでは、今後、日本でJBCが管轄するボクシング界での活動再開は難しくなる。 また当初、天心vs亀田戦の解説として元WBC世界バンタム級王者、薬師寺保栄氏の名前が発表されていたが、薬師寺氏は名古屋のプロジムの会長で各種ライセンスを所持しているため、JBCがルールに抵触することを伝え、薬師寺氏は番組出演を辞退した。現在、AbemaTVの番組HPには「※薬師寺保栄さん、木村悠さんの出演は取り止めになりました」と書かれているが「なぜ取り止めになったのか」の説明はされていない。