10月の給与明細を見たら、年金保険料が「2000円」上がっていた! 年収は変わってないはずなのになぜ?「年金保険料」が変動する仕組みを解説
給与明細を見て、「年金保険料が上がっている?」と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。特に10月の給与明細では、前月までと比較して年金保険料が引き上げられているケースがあります。 本記事では、年金保険料が変動する仕組みやその理由、また年金保険料を支払うことのメリットについて解説します。 ▼3~5月は「残業」が多いと損をする!? 保険料を抑えるコツとは?
年金保険料が変わる仕組み
会社員の場合は一般的に厚生年金に加入していますが、厚生年金の保険料率は9月分から変動する可能性があります。そして、多くの場合は9月分の給料が10月に支払われるため、10月の給与明細で年金保険料の金額が変化することが少なくありません。 年金制度では、社会情勢や物価の変動、財政状況などを考慮したうえで保険料率が調整されます。そのため、毎月同じ給料をもらっているとしても、保険料率が見直されれば保険料額が変動することもあります。
年金保険料の決まり方
2017年に引き上げがあってから、厚生年金の保険料率は2024年11月まで同じままの状態です。しかし、保険料率が一定、かつ年収がほぼ同じでも厚生年金の保険料が上がることは考えられます。 年金保険料は、「標準報酬月額」に基づいて計算されます。標準報酬月額とは、簡単にいえば給与の金額をある範囲で区切ってランク付けしたものです。例えば、給与が24万円の場合、23万~25万円の区分に分類され、その区分の標準報酬月額=24万円が厚生年金保険料の計算に適用される仕組みです(令和6年度、東京都の場合)。 この標準報酬月額の見直しが年に一度、4月から6月の給与を基に行われます。この期間に支給された給料の平均額が基準となり、その年の9月から翌年の8月までの年金保険料が決定します。 つまり、前年と比べて年間の収入が同じくらいでも、4月から6月の給与は高く、ほかの月が少なかった場合、標準報酬月額のランクが前年よりも上がり、厚生年金の保険料が上がることがあるのです。 標準報酬月額が1つ上がると、厚生年金保険料が1000~3000円程度上がりますので、タイトルのように、9月分の給与明細から厚生年金保険料が2000円上がることも十分考えられるでしょう。