【今日が初戦】木暮ジャパンはどう戦う?負傷離脱3人の緊急事態、W杯出場は?アジア連覇は?|アジアカップ直前プレビュー
至上命題は「準決勝進出=W杯出場」
日本代表が参加するAFCフットサルアジアカップ2024は4月17日に開幕し、日本は18日に初戦を迎える。今大会は予選を勝ち上がった16カ国が4チームずつ4グループに分かれてグループステージを行い、勝ち上がった8チームがノックアウトステージを戦う。日本はグループCで、キルギス、韓国、タジキスタンと同組になった。 前回、2022年大会で優勝した日本の連覇がかかると同時に、今大会は今年9月に開催されるFIFAフットサルワールドカップ2024ウズベキスタンの出場権を争う予選を兼ねた戦いとなる。アジアには開催国ウズベキスタンを含めた「5枠」の出場枠が与えられているため、準決勝に進んだ時点でW杯出場が決定する。 加えて、ウズベキスタンが準決勝以上に勝ち上がった場合のみ、もう1枠の座を懸けて、準々決勝敗退の4チームによるプレーオフが行われるレギュレーションだ。 つまり、木暮賢一郎監督率いる日本代表が最初に目指す目標は「準決勝進出=W杯出場権獲得」であり、その後、大会連覇を狙う。この点については、木暮監督も常々「まずはW杯出場を決めること」と話してきた。 大会が行われる開催地タイは、2012年のワールドカップで日本が初めてラウンド16へ進出した思い出の場所だ。当時、ミゲル・ロドリゴ監督が三浦知良を抜擢して大きな話題を集めたが、その時に木暮賢一郎監督は、キャプテンとしてチームを率いていた。キング・カズと戦った思い出の地・バンコク──。ポジティブな感情が蘇る場所だ。
予選敗退という想定外への準備
過去16回目のアジアカップにおいて、イランは12回、日本は4回と、優勝国は2チームしかない。この事実が物語るように、アジアはイランと日本が覇権を争う2強であることは間違いない。とは言え、精力的な強化を見せる国もあるなど、アジアフットサルの勢力図は、この十数年で変化を見せ始めている。 具体的には、イランとタイに続くのがタイやウズベキスタンの2カ国で、そこに追随するのがベトナムやインドネシア(今大会は予選で敗退)、サウジアラビア、カザフスタン、アフガニスタン、クウェートあたりが力を伸ばしてきている。 アジアの勢力図の大枠をまとめると、2強がいて、そこに迫る2チームを加えた4カ国が第1グループで、追随する4~8チームが第2、第3グループというイメージ。日本がベスト4に入ることは、当然の義務のようでもある。 だが、その力関係が盲点を生むことがある。2016年、今回と同じくW杯出場権を懸けたアジアカップにおいて、日本は準々決勝でベトナムに敗退し、翌日、最後の1枠をかけたプレーオフにも敗れるという“失態”を犯した。出場選手やスタッフの証言をたどっても彼らに油断や慢心はないように思えたが、唯一「W杯に出られないという想定」をしている人物が皆無だった。上述の勢力図が示すとおり、日本がアジアで5枠を逃す想像をできなかったのだ。 当時の最大のテーマは「アジア連覇でW杯を決められるか」であり、準決勝進出を「通過点」としか捉えていなかった。現在、日本はこの反省を踏まえ、準決勝進出に目標を定めた。つまり、現状では想定しづらいような「予選敗退」さえも頭のなかでイメージし、仮にグループステージで危機的な状況に陥っても慌てることなく対処し、“想定済みの想定外”を乗り越える準備はできているはずだ。木暮監督が思い描くプランに抜かりはないだろう。