【今日が初戦】木暮ジャパンはどう戦う?負傷離脱3人の緊急事態、W杯出場は?アジア連覇は?|アジアカップ直前プレビュー
仁部屋と安藤に求められるタスク
木暮監督はアルトゥールの代わりに仁部屋和弘を、清水の代わりに安藤良平を追加招集した。どちらも日本代表キャリアをもつベテランだが、これまで木暮ジャパンの強化路線には表立って入ってこなかった選手だ。 選考意図とはなにか。 仁部屋は10年以上前から「10番」を背負い、ミゲル・ロドリゴ監督時代のエースを任され、吉川智貴と共に2016年のアジアカップ経験者でもある。ただし、木暮ジャパン以降の選出はなく、今年2月のポルトガル遠征で約3年ぶりにメンバー入りした。昨シーズンのFリーグで得点王を争いを演じ、木暮監督が一貫して「Fリーグのパフォーマンスを重視する」と話してきた基準を満たす形で選ばれた。と同時に、指揮官は「同等の実力があればまずは若い選手を選ぶ」と明言してきたなかで仁部屋が選ばれたことが、彼に対する評価の高さを示している。 アルトゥールに代わる選手として追加されたものの、仁部屋の役割は「得点力」ではないだろうか。フィクソでのゲームメイクも、ドリブルでのチャンスメイクも、前線でのフィニッシュワークも高水準でこなせるだけにタスクを増やすことも考えられるが、清水の離脱と併せて考えると、仁部屋が前線のキーマンとなる可能性は高い。 もう一人、安藤良平は、今回が木暮ジャパン初招集という驚きだ。昨季、名古屋で3冠達成をフィクソとして支えた実力に疑いようはなく、ブルーノ・ガルシア前監督時代も、強度の高い守備を評価されてきた。 木暮ジャパンでその役割を担っていたのが内村俊太であり、優勝した2022年のアジアカップでも、決勝でイランの屈強なピヴォを封じ込めるタスクを遂行した。もともと、大会に向けた25名のラージリストに内村も安藤も名を連ねていたが、日本フットサル的にはオフシーズンの間、どこまで想定外を想定して、準備できていただろうか。 リーグのパフォーマンスや現在のコンディションを鑑みて、安藤が選ばれた可能性が高い。 仁部屋はどのポジションでもこなし、安藤も体の強さを生かしてピヴォを任せるプランがあるかもしれないが、明確にするのであれば、2人のベテランには、仁部屋は「得点力」、安藤には「守備力」が求められるだろう。