【今日が初戦】木暮ジャパンはどう戦う?負傷離脱3人の緊急事態、W杯出場は?アジア連覇は?|アジアカップ直前プレビュー
木暮ジャパン最新の最適解は?
アジアにおいて、日本の強さは際立っている。2023年10月、台湾で行われたアジアカップ一次予選は、オーストラリアに4-0、チャイニーズ・タイペイに3-0で勝利し、無失点で勝ち上がった。11月にはW杯開催地、ウズベキスタンで同国と2試合の国際親善試合を戦って連勝で帰国。12月には2016年のW杯王者アルゼンチンと国内で2試合を戦って連続ドローと接戦を演じ、2月には2021年のW杯王者ポルトガルとアウェイで連戦。現世界王者に土をつけることはできなかったものの、ここまで強化の道のりは順調に進んできた。 世界を相手にボールを保持しながらチャンスメイクできる4-0システムの精度はレベルアップを遂げ、同時に、前線の屈強な相手に必ずしも勝利できないなかでは3-1システムを重用しない。理に適った戦術モデルを構築した。 さらには、対世界へのチャレンジャー・スタイルと並行して、守備を固めてくる対アジアの戦いを想定した相手を釣り出すようなボール回しも精度を高めている。だが「ピヴォ」「ミドル」「セットプレー」といった大会を勝ち抜くためのキーワードとなる戦略において、最大の強さを出せる選手2人が離脱したことで、プランを練り直すことになる。 重要なのは初戦だ。キルギスは、2016年大会のプレーオフで敗れた因縁の相手だ。ただし、前日に準々決勝のベトナム戦に敗れた失意からメンタル的な回復ができないまま臨んだ試合は、参考にならない。この10年での対戦は2014年と2016年のいずれもアジアカップでの対戦だが、日本が、引いている相手をどのように攻略するかがカギを握るだろう。 その手段として、選手の組み合わせに注目だ。 1stセットはこれまで、清水、吉川(金澤空)、堤優太、アルトゥールが多いなか、ピヴォに平田ネトアントニオマサノリ、フィクソに吉川をずらして安定させ、堤優太と金澤空がサイドから切り崩していく形が考えられそうだ。 いきなり安藤を抜擢することは考えづらいため、フィクソの一番手に山田凱斗を登用するか。必然、2ndセットの組み合わせにも影響が出る。場合によってはピヴォを置かない、あるいは偽ピヴォと呼ばれる、位置的ピヴォに新井裕生か仁部屋を配置して、石田健太郎と長坂拓海、山中翔斗(甲斐稜人)のセットで切り崩していく形もあるかもしれない。 GKについては、フィウーザのコンディションの問題により、最終的には黒本ギレルメと、サポートメンバーとして帯同してきたピレス・イゴールが登録された。昨年10月のアジアカップ予選で守護神を託されたフィウーザの離脱も当然、痛いが、とは言えGKについては3人の能力値や信頼感に差はなく、緊急事態とは言えないだろう。 仮にグループステージを1位で突破した場合、準々決勝の相手はグループDの2位チーム。イランのグループであることを考えると、対戦相手はアフガニスタンあたりが順当だろうか。そこで勝ってW杯を決めれば、次はタイかウズベキスタン、そして決勝はイランとの2年ぶりの再戦──。だが、そんな皮算用をするべきではない。 吉川が話したように「1試合、1試合、勝ちを積み重ねるだけ」だ。結果は積み重ねた先にしかついてこない。2016年の教訓を、我々フットサルメディアも糧にしないといけない。今大会、余計な想定はやめておこう。