【今日が初戦】木暮ジャパンはどう戦う?負傷離脱3人の緊急事態、W杯出場は?アジア連覇は?|アジアカップ直前プレビュー
アルトゥールと清水、2人のキーマンが離脱
だが、日本は大会開幕前に2つの「想定外」に直面してしまった。 大黒柱のオリベイラ・アルトゥールと、エース・清水和也の負傷離脱だ。2人は共に3月末の国内合宿からトレーニングに参加し、開催地タイでも調整を続けていたなか、開幕直前にチームを離れることになった。 間違いなく想定外の事態だろう。 現在の代表チームは、乱暴に言ってしまえば「アルトゥールのチーム」だ。フィクソとして守備のキーマンであり、これまで35試合で21得点を挙げているように攻撃のキーマンでもある。正確無比なFKの精度と決定率は半端ではなく、相手からすれば脅威でしかない。アルトゥールのいる、いないで、日本のパラメーターは大きく変化する。 存在自体が不可欠な選手を失ってしまったのだ。 清水も違いを生み出せる選手だ。10代の頃から将来を嘱望され、木暮監督の現役時代はもちろんのこと、歴代の代表キーマンたちから日本代表の魂を受け継いできた。2021年、初出場したW杯リトアニア大会では、アルトゥールや吉川、前主将の星翔太らと共にピッチに立ち、世界を舞台に経験を積み上げた。 抽象的な表現ではあるが、清水がいることでチームに芯が通る。ピヴォとして前線のキーマンになると同時に、その背中を見せることでチームメートを鼓舞するような存在なのだ。 戦術的にも、清水はフィニッシャーとして重責を担う。チームが苦しい時にゴールで救う役割は彼の専売特許であり、通算80試合で30得点。ゴール数は現チーム最多だ。木暮ジャパンにおける3-1システム、4-0システムのどちらにも対応できる戦術的、技術的な能力、アジアの相手を圧倒できるフィジカルが欠ける損失は大きい。 これまで、彼らなしで戦った試合はあれども、重要な大会で不在のことはない。1stセットを任される2人の離脱はどこまで影響するだろうか。システム、選手の組み合わせ、ゲームプラン、あらゆる点が変更になるだろう。