テレビ各局「選挙特番」で分かれた“勝ち組”と“負け組” 視聴者が求めたのは「演出」ではなく「安定感」
■フジテレビは「論客」をそろえたが… フジテレビの「Live選挙サンデー超速報SP」は、メインキャスターを宮根誠司が務め、青井実アナや同局の宮司愛海アナ、藤本万梨乃アナのほか、元大阪府知事の橋下徹氏、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏、元明石市長の泉房穂氏、元衆院議員の金子恵美氏ら論客が集結したが、平均世帯視聴率8.3%という結果となった。 テレビ誌のライターはこう話す。 「石丸さんがフジをはじめとする各テレビ局の選挙特番の演出に苦言を呈したり、金子さんが『違うんですよ、進次郎さん!』などと自民党の小泉進次郎選対委員長に疑問をぶつけたりと、それなりに盛り上がりを見せる場面もあったのですが……。話題性のあるゲストのメンツほどは数字が伸びなかった印象です」 TBSは、プロ野球・日本シリーズ第2戦「DeNA×ソフトバンク」と衆院選の開票速報をダブル生中継するという異例の形で「決戦!緊急W中継 SMBC日本シリーズ2024×選挙の日」を放送。 番組中には選挙速報と野球中継が2画面で同時に放送されるタイミングもあったが、前出のライターは「一度に両方を楽しめるというよりは正直、戸惑う視聴者も多かったのでは」と話す。 また、同番組でスペシャルキャスターを務めた「爆笑問題」の太田光は、21年放送の同局の選挙特番で自民党の二階俊博元幹事長(当時)に「いつまで政治家を続けるつもりですか?」と厳しい質問をし、小選挙区で落選した甘利明元幹事長には「ご愁傷さまです」と口にするなどして炎上した過去もあった。 今回もそうした“ハプニング”があるのではと注目が集まったが、前出の放送作家こう振り返る。 「太田さんは今回も、旧知の石破茂首相に対して『責任問題になってくる。ご自身の責任問題についてどうお考えか? “石破降ろし”なんていう話も聞こえてきますが』などと鋭く切り込んだり、アグレッシブな姿勢は崩していませんでした。ただ、前回に比べると言葉遣いも丁寧で冷静さも感じさせていたので、比較的視聴者ウケも良かったと思いますよ。それゆえ、野球とのダブル中継ではなく、選挙だけに集中させてあげたかったですね」