テレビ各局「選挙特番」で分かれた“勝ち組”と“負け組” 視聴者が求めたのは「演出」ではなく「安定感」
27日に投開票が行われた総選挙は、政権交代があった2009年以来の自公過半数割れという衝撃的な結果となった。 【写真】選挙特番出演で話題を呼んだ「最強の素人」はこの人 投開票当日は、テレビ各局が総力をあげて放送した選挙特番もそれぞれの番組の色や個性が反映され、それなりの盛り上がりをみせた。 視聴率トップだったのは、平均世帯視聴率19.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したNHKの「衆院選開票速報 2024」。昔から定評があった“選挙に強いNHK”を今回も体現した形となった。 一方、民放各局の視聴率は僅差でのせめぎ合いとなった。民放1位となったのは、午後7時54分からの「第1部」が9.6%、午後9時からの「第2部」が9.7%を記録したテレビ朝日の「選挙ステーション2024」。同番組では同局の「報道ステーション」の大越健介キャスター、「大下容子ワイド!スクランブル」の大下容子アナウンサーがタッグを組み、有働由美子アナがMCを務める「有働Times」へとバトンをつなげた。 同番組の“勝因”ついて、放送作家はこう語る。 「他局の選挙特番が奇をてらった演出を盛り込む中、『選挙ステーション2024』に関しては『余計なことをせず、シンプルで見やすかった』といった意見がSNSでも多く見られました。実際に自分もそう思いました。メインを張る大越さんと大下さんの安定感も含めて、多くの視聴者が一番『見やすい』と感じたのでしょう」 「news zero」(日本テレビ系)でおなじみのフリーの藤井貴彦アナと人気グループ「嵐」の櫻井翔がメインキャスターを担当した日本テレビの「zero選挙2024」は平均世帯視聴率8.7%と健闘した。 「『news zero』で有働さんの後任となった藤井さんはこの結果にホッとしたのではないでしょうか。その一方、番組内では『裏金』や『お騒がせ』『世襲』『一騎打ち』などといった切り口で、注目の選挙区や候補者をクローズアップし、とくに裏金議員の立候補者名の横に『ウラ金』と明示し、不記載の金額まで具体的に表示するなどエンタメ寄りとも思える“演出”も目立ちました」