「管理職になるなら辞めます」という部下に、マネージャーがやらせてみるべき“体験”とは
組織と人事の専門家である“そわっち”が、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ「モヤモヤり~だぁ~ず」。
本日の相談者:飲食業・40歳 「チェーンの飲食業でエリアマネジャーをしています。業績が好調なこともあり店舗拡大を進めているのですが、若手に管理職ポジションの昇進を打診すると、拒否されてしまうケースが多々あります。 なんとか説得しようとしても、じゃあ辞めます、と言われてしまうのです。どう対処すればよいでしょうか」。
管理職になりたくないのは「向いてない」から
「管理職の実態に関するアンケート調査」(日本能率協会マネジメントセンター2023年)によると、一般社員の約77.3%が「管理職になりたくない」と回答しています。 そして、「なりたくない理由」のトップは「自分は管理職に向いていないから」(46.6%)、続いて「管理職の負荷と報酬アップが釣り合っていないから」(32.1%)、「業務量や業務時間の負荷が高いから」(23.6%)、「責任の重い仕事をしたくないから」(23.3%)でした。 自分には管理職の特性がないと思うとともに、管理職になることのメリットを見出していないので、「プレイヤーのままでいい」と考えているということのようです。
そもそも「働くこと自体に」に面白みを見出していない
ところがこの調査にはさらに興味深い結果があります。プレイヤーのままでいたい一般社員が今の仕事に満足しているのかというと、実はそうではないのです。 「今の仕事が面白い」と回答しているのは約4割に過ぎず、残りの約6割の一般社員は「今の仕事が面白くない」と回答しているのです。 管理職になりたいかという以前に、単純に働くことについて意義を見出せていない。つまり、「今の仕事も嫌、管理職になるのも嫌」と、働くこと自体に対して超ネガティブな状態になっているわけです。 この「今も嫌、管理職も嫌」という「嫌嫌」層は約45.1%とおおよそ半分で一般社員の中の最大派閥です。もしかすると、質問者の部下もそういうネガティブな状態なのではないでしょうか(実際辞める、とも言ってますし)。