アルザス地方の美しいクリスマスマーケットを歩く~ストラスブールとコルマール~
文・写真/バレンタ愛(海外書き人クラブ/ウィーン在住ライター) フランスの東端、ドイツの国境に面したアルザス地方。南北に長い地域で南側はスイスに接している。この地域は長い間ドイツとフランスに代わる代わる支配されていたため、今でも両国の文化や言語が交じり合って残っているのを強く感じられる。街を訪れるだけでも、建築様式や食べ物などで両方の国のものが混じっているのに気付かされるとても興味深い地域だ。2都市を比べて見ると、同じアルザスの中でもストラスブールはドイツ寄り、コルマールはフランス寄りなのも面白い。 写真はこちらから→アルザス地方の美しいクリスマスマーケットを歩く~ストラスブールとコルマール~ 今回はそのアルザス地方を代表する2つの街、ストラスブールとコルマールのクリスマスマーケットを巡ってみよう。
ユネスコ世界遺産の街~ストラスブール~
ストラスブールはアルザス地方を代表する街で、その旧市街地では世界遺産になっている歴史ある美しい街並みが見られる。その一方で国際機関があり、モダンな建物も点在している。 ストラスブールのクリスマスマーケットは1570年からの歴史があり、フランスで1番古く、ヨーロッパの中でも古いものの1つだ。市内のいくつもの広場でクリスマスマーケットが開催される。美しい街並みを楽しみながら移動し、それぞれ雰囲気が異なるマーケットを訪れてみよう。 まずは市内最大のクリスマスマーケットが開かれているクレベール広場。こちらでは30mほどにもなる巨大なクリスマスツリーがシンボルになっている。メリーゴーラウンドなどのアトラクションも周りに設置され、子連れの家族も多く見られる賑やかなマーケットだ。多くの屋台が建ち、食べ物や飲み物を売るお店もたくさん並んでいるので食べ歩きしながら楽しみたい。 様々な食べ物が売られているが、ドイツ系の食べ物が多いことに驚く。色んな種類のソーセージや、様々な味付けがされたマッシュルームなどは完全にドイツ系だ。大鍋で作られているホットワインもどことなくドイツ寄り。でもチーズ系やエスカルゴなど所々でフレンチテイストが見られるのも面白い。 次に圧巻なのは大聖堂周辺でのマーケット。1000年以上の歴史と高さ142mの塔を持つこの大聖堂は圧倒的な存在感を放っている。周りには多くの屋台が建ち、旧市街の美しい建物やキラキラ輝くイルミネーションに囲まれている。 そこに行く間のカフェにはフランス系のケーキが並んでいた。でも建物は木組みの家だったりして、本当にフランスとドイツが入り混じっているのを感じる。 大聖堂周辺のマーケットでは、フォアグラサンドを見つけた。これぞフランス! フォアグラを挟んでいるパンはフランスのブリオッシュとドイツのプレッツェルの間のような食感。そんな所からも2か国の食文化の融合を感じられる。