アルザス地方の美しいクリスマスマーケットを歩く~ストラスブールとコルマール~
ジブリやディズニー映画のモデルになった街~コルマール~
コルマールはストラスブールより知名度は低く、街の規模も小さいが、旧市街全体がおとぎの国のような雰囲気でとても素敵だ。ジブリ映画「ハウルの動く城」、ディズニー映画「美女と野獣」に出てくる建物や街並みのモデルになった街でもあり、宮崎駿監督も滞在していたという。 そんなメルヘンチックな街で開催されるクリスマスマーケットは6つあるようだが、実際に行ってみると大きな会場があちこちに点在しているというよりは、旧市街内が全てクリスマスマーケットの雰囲気で包まれている。マーケットから次のマーケットに移動する間に建つ美しい木組みの家々も、イルミネーションやクリスマスデコレーションで飾られているので、クリスマスの素敵な雰囲気やデコレーションが途切れないのがその理由だろう。 ヨーロッパ内の数多くのクリスマスマーケットに行ったことのある著者だが、こういうクリスマスマーケットの雰囲気を楽しめる街は初めてだった。著者が住むウィーンも旧市街地にいくつかのマーケットがあるが、「点在」という感じでマーケットとマーケットの間を移動するという感覚だ。コルマールにはその隙間がなく、旧市街地全体でマーケットの雰囲気が続いている感じがした。 他にもグルメマーケットと呼ばれる場所があり、雰囲気はそうでもないが、そこで売っていた食べ物はどれも食べたくなるものばかり! ほとんどがフランス系の食べ物で、オニオングラタンスープ、栗のスープ、トリュフを乗せたリゾット、フォアグラ、エスカルゴ、オイスター、さらにモンブランなどデザートまであって何を食べようか選ぶのに困るほど。 街の見どころの1つとしてLa Petite Venise(プチ・ヴェニス)と呼ばれる場所がある。運河があり、素敵な建物が運河沿いに建っている地区だ。そこにも大きな室内マーケットがあって、中ではアルザスの名産品を売っているほか、食事ができる屋台もあり、多くの人で賑わっていた。 あまりにも素敵で、なんとしても食べたいものがあったので、予定を変更して次の日の昼間に再度街歩きへ。普通は夜のライトアップでこそ輝くクリスマスマーケットだが、この街の旧市街は明るい陽の光の中で見てもやはりとてもメルヘンチックで、色んな映画の舞台となっているのも納得だった。 その他にもアルザス地方には多くの小さな街が点在し、それぞれの街でクリスマスマーケットが開催されている。機会があれば、今回紹介した2つの街だけではなく、フランスとドイツの文化と歴史が入り混じる街を体感してほしい。 ストラスブールのクリスマスマーケット 2024年11月27日~12月27日 コルマール 2024年11月26日~12月29日 文・写真/バレンタ愛(ウィーン在住ライター) 2004年よりウィーン在住。うち3年ほどカナダ・オタワにも住む。長年の海外生活と旅行会社勤務などの経験を活かし、2007年よりフォトライターとしても多数の媒体に執筆、写真提供している。著書に「カフェのドイツ語」「芸術とカフェの街 オーストリア・ウィーンへ」など。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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