MES(製造実行システム)導入で失敗するのは…誰のせい? 課題が多い「RFPの作り方」
MES導入の成功率上げる?新しい「標準業務機能リスト」解説
このような課題解決を目的に、同研究会はMESの新しい標準業務機能リストを作成しました。2024年版ものづくり白書にも取り上げられ、8月末時点で、200名を超える多くの方々にダウンロードされています。 400を超える業務機能を網羅した標準業務機能リスト(Excel)を作成しました。ここにはMESの業務機能だけではなく工場における一般的な業務機能が網羅されています。 ただし、Excel資料だけではわかりづらい部分もあるため、関連図や用語集、説明資料などのPDF資料を参考資料として作成しました。 標準業務機能リストを活用することで、下記のような効果が期待できます。 ・業務部門・IT部門・ベンダーなどの関係者間の認識齟齬の大幅な削減 検討期間の短縮 若手社員への製造領域への理解促進 成果物の中には、MES/MOMシステム関係略図があります。これは、MES/MOMに関連する業務区分ごとのフレームワークの位置付けになります。 MES/MOMシステム関係略図を見ると、MES/MOMの中に「製造」と「品質管理」が収まっていることがわかります。つまり、この2つの業務機能はMES/MOMでの実現可能な範囲です。 また、MES/MOMに半分かかっている、「物流/在庫管理」、「保全」などの業務機能についてはMES/MOMで実現可能な部分もあれば、他のシステムで実現可能という捉え方ができると考えています。 一方、「購買/資材」、「工場経理」のようなMES/MOMにほとんどかかっていない業務機能についても、MES/MOMに関連する重要機能です。こういったグレーゾーンも明記することでユーザーの理解が進めば良いと考えています。 このように業務の括り(部門)単位で定義をすることで、部門別にMESの検討をした場合でも、11機能ベースで検討するよりシンプルに検討できます。 また、MESシステム活用のためには周辺システムとの連携も重要となるため、それをわかりやすく示したMESシステム関連図も作成しました。