MES(製造実行システム)導入で失敗するのは…誰のせい? 課題が多い「RFPの作り方」
なぜ満足度高い?ダウンロードしたユーザーの反応
ダウンロードをした属性を見ると約50%がユーザー(製造業)でした。製造業のユーザーの内訳を見ると、今回前提としていた組立系でだけでなくプロセス系も33%程度いました。 今回は、MESの普及がプロセス系より遅れている組立系前提でテンプレートを作成しましたが、今後今回成果物の汎用化も議論のポイントとなります。 アンケートの満足度も高く、MESの役割理解が深まったといったコメントや、MES11機能に比べて、はるかに腹落ちした、検討の指針がわかったといったポジティブなコメントが寄せられた一方、検討のステップ分けや標準データサンプル、システム連携テンプレート、KPI指標、プロセス系製造業における活用など、改善や改良に関するコメントも得ることができました。 またERP利用の課題に関する議論の必要性、投資対効果の説明などに言及するコメントもありました。 現在の標準業務機能リストは「パブリックコメント版」と位置付けており、今後の強化を予定しています。多くのユーザーの意見を受けながら、個別要件の追加、使いやすさの向上、業種別固有要件の反映などを行い、2025年6月の正式版発行を目指して活動をしています。 多くの皆さんのコメント、フィードバックを期待しています。 本プロジェクトがユニークで先例の無い点は、「国の主導」でも「海外の標準の翻訳」でもなく、民間企業で働くMES技術者が集まって日本のスマート工場化のために会社間を超えた標準化活動をしていることです。共同で成果物の作成を行った背景には、日本の製造業を良くしたいという思いの一致があります。一緒にフレームワークを共創し、その上で健全な競争ができる「共創から競争へ」への変革を目指したいと思います。 ※当テンプレートを入手希望の方はENAAのHPで入手方法を確認ください。 『MES/MOM導入のためのRFP作成用標準テンプレート』公開に当たって | 一般財団法人エンジニアリング協会(ENAA)
執筆:アルファコンパス 代表CEO 福本 勲