「今に見てろよ」巨人を変える新監督・阿部慎之助が語った盟主復活への思い #昭和98年
アレ(A.R.E.)見て、アベ(A.B.E.)浮かぶ
就任会見では阪神の今季のスローガンを持ち出した阿部のある言葉が、大きくクローズアップされた。 <本年度はアレで盛り上がっています。来年度はアレではなくアベでいきたい> 言おうと決めていたことでもあった。 「今年、甲子園に行ったときに“A.R.E.”が“A.B.E.”に見えたんです。違ったと思ったんですけど、これ何かに使えるかもしれないなって。でもああいうフレーズを出せる岡田(彰布)監督もすごいなって」 運命というものは面白い。2024年の開幕カードが発表され、その岡田阪神と東京ドームで対戦することが決まった。プロ1年目の2001年、23年ぶりとなる新人捕手開幕スタメン出場を果たした相手も阪神。4打点を叩き出して最高のデビュー戦を飾っている。 「運命とかそういうのはあんまり感じていません。ただ、一番いい相手と開幕で戦えるわけですから楽しみで仕方がないです」 柔らかい表情のまま阿部は口元にそっと笑みを浮かべた。 プレッシャーは人を強くする。 恩師である原監督が背負った「83」をあえて引き継ぐこともそう。2年連続Bクラスの状況下にあるチームを再建する責任を負うこともそう。 「もちろんプレッシャーには感じますよ。ジャイアンツ史上3年連続Bクラスって一度もないわけですから。でもね、そういうのを何かね、今に見てろよっていう思いがあります。心のなかでは」 読売巨人軍としてプレッシャーを乗り越えていかずして、盟主復活などない。 ギラリと光る阿部慎之助の目が、力強く語っていた。
阿部慎之助(あべ・しんのすけ) 1979年3月20日生まれ。千葉県出身。安田学園高、中央大を経て、2000年のドラフト1位で巨人に入団。首位打者、打点王などに輝き、8度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献。2019年に現役引退後は巨人の二軍監督、一軍ヘッド兼バッテリーコーチなどを経験。2023年10月、原辰徳前監督の退任に伴い、2024年シーズンから一軍監督に就任することが発表された。
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