自然災害による被害や地下鉄民営化など 2018年の鉄道を振り返る
さまざまなニュースが駆け巡った2018年も、残りわずか。今年は地震や台風と言った自然災害に翻弄された1年でもありました。鉄道業界も例外ではなく、数々の試練に立ち向かいながら走り続けました。そんな鉄道業界の2018年を、関西の話題を中心に振り返ってみたいと思います。 【拡大写真付き】廃線となった「電力会社が手がける鉄道」
自然災害による甚大な被害
冒頭で記したとおり、2018年は数々の自然災害がたて続けに日本列島を襲いました。特に、7月の西日本豪雨では岡山・広島地区をはじめ各地で甚大な被害が発生し、山陽本線をはじめ多くの路線で長期間にわたって不通となりました。山陽本線や伯備線などの運休で貨物輸送もできなくなり、関東や関西方面から山陰・中国・九州地方へ、広範囲にわたって物流が混乱しました。関係者の努力などにより、大半の路線は復旧しましたが、現在も一部路線で運休が続いています。 また、この前に起きた大阪府北部地震では、阪急電鉄や大阪モノレールなどで大きな被害が発生。中でも阪急南茨木駅は、隣接する駅ビルが深刻な被害を受けたため、共用していたエスカレーターなどが現在も使用停止となっています。ほかにも、北海道胆振東部地震では北海道の鉄道路線も大きな被害を受け、また9月の台風21号では、関西空港連絡橋にタンカーが衝突したことで鉄道が2週間にわたって不通となりました。 一方、9月に日本を襲った3つの台風でクローズアップされたのが、鉄道会社の「計画運休」です。台風による影響が見込まれる線区で、事前に告知して列車の運転を全面的に取りやめるという取り組みで、JR西日本では2014年から実施。これまでは“空振り”も多く、利用者から不満の声も出ていましたが、今回は計画が見事に奏功し、利用者が駅や列車内に閉じ込められるといった事態は防げました。また、企業も計画運休を踏まえた営業体制を取るなど、徐々に浸透しつつあります。 JR東日本でも9月末に初めて計画運休を実施するなど、今後は全国に広がるでしょう。当たり前のことですが、「台風が近づいたら不要不急の外出を控える」ということを、今一度確認したいものです。