東京-成田空港の移動「1000円切り」できる!? 真の“節約ルート”とは? 背景に「不思議な運賃制度」
「有料特急使わない派」それでもJR・スカイアクセス線ともにチョイ高
安く旅行を楽しむ手段として、LCC(格安航空会社)は欠かせない存在です。ただ東京を起点とする旅行を考える場合、羽田空港に就航するLCCはごく一部の国際線のみであることから、多くの場合、LCCの利用には成田空港までの移動が必要となります。 【1000円以下】これが東京-成田空港“最安ルート”です(地図/画像) 東京から成田空港までは、複数のアクセス手段があり、速達性、快適性を重視するなら「京成スカイライナー」、JR特急「成田エクスプレス」が双璧となります。しかしLCCを使う“倹約派”にとっては、京成線の特急料金がかからない列車を使い、成田空港を目指すルートが、まず第一に挙がるのではないでしょうか。 東京駅と成田空港を結ぶ「エアポートバス東京・成田」は、コロナ禍を経て運賃が1500円まで上昇し、かつての“1000円切りの圧倒的安さ”はなくなりました。また事故渋滞など不測の事態で所要時間が左右されるバスは、チェックイン時刻の“縛り”が厳しいLCCでは利用しづらい側面もあります。 また東京駅からJR総武線、成田線の快速を使うルートでは、成田空港駅、空港第2ビル駅まで運賃は1342円(ICカード利用の場合、以下同)ですが、所要時間は直通列車でも1時間30分程度かかり、その直通列車の本数もおおむね1時間に1本です。 これに対し、日暮里から京成本線を利用し、京成高砂駅でスカイアクセス線のアクセス特急に乗り換えて成田空港駅(第1ターミナル)または空港第2ビル駅(第2・第3ターミナル)に向かうルートは、乗り換え時間を考慮しても1時間ほどで、運賃は1267円です。アクセス特急はほぼ40分おきに走っているので、東京都心からなら、JR総武線、成田線に比べ「より早く、より安く、より便利な」アクセスルートと言えそうです。 ただ京成本線を使った成田空港へのアクセスには、さらに運賃を節約できる別のルートもあります。
スカイクセス線を使わず、トコトコ行くとどれくらいかかる?
節約ルートとしてまず浮かぶのは、日暮里駅から快速特急もしくは特急を使い、京成高砂駅で乗り換えずに京成津田沼駅、京成成田駅を経由して、成田空港駅へと至るルートです。 スカイアクセス線が京成高砂駅からほぼ東へ直線的に成田空港を目指すのに対し、京成本線はいったん市川市、船橋市といった東京湾岸沿いの都市を回ります。路線形状も直線的ではないうえ、さらに日中のほとんどの時間帯で京成成田駅において成田空港線への乗り換えも必要です。 このため、京成本線・成田空港線経由はスカイアクセス線経由に比べ、所要時間でおおむね20分増の約1時間20分となります。ただし運賃は1052円と、スカイアクセス線よりも200円ほど安くなるのです。 ではこのルートが、日暮里駅から成田空港駅に向かう際の最安値かといえば、そうではありません。じつは、所要時間がやや長くなるものの、さらに安くなるルートが存在するのです。