「禁止判断は極めて残念」 岩屋外相が米国務長官に伝達 日鉄のUSスチール買収阻止
岩屋毅外相は7日、来日したブリンケン米国務長官と東京都内のホテルで会談した。岩屋氏は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を阻止する命令をバイデン米大統領が出したことについて問題提起し、「国家安全保障上の懸念を理由として買収を禁止する判断がなされたことは極めて残念だ」との考えを伝えた。 岩屋氏は会談で、日鉄によるUSスチール買収について、「日本から米国への投資は両国にとって利益のあることだと当方は考えている」とした上で、「USスチールの労働者側からも(買収を)支持する声が上がっていた」と指摘した。会談後の記者会見で岩屋氏が明らかにした。 岩屋氏は会見で「日米双方の経済界、とりわけ日本の産業界からは、今後の日米間の投資について強い懸念の声、心配の声が上がっており、これは重く受け止めざるを得ない」と強調。会談で「懸念の払拭に向けた対応を米国側に求めた」と説明した。ブリンケン氏の発言などについては明らかにしなかった。 日米外相会談では、6日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを強く非難。露朝の軍事協力が進展し、韓国国内政治の混乱が続く中でも、北朝鮮への対応で日米、日米韓で緊密に連携し続けていることの重要性も改めて確認した。 ブリンケン氏は日米外相会談後、石破茂首相を首相官邸に表敬訪問した。