ドゥカティ・パニガーレ ついに初優勝!~全日本ロードレース第5戦 もてぎ2&4レースレポート~
1周目からトップに立った水野が独走へ
決勝レースでは、フロントロー2番手スタートの野左根がホールショットを獲得して、水野が2番手、中須賀、岡本と続き、少し離れて長島哲太(DUNLOPレーシングwith YAHAGI)、津田、芳賀涼大(WORK NAVI NITROレーシング)、岩田悟(チームATJ)、高橋らが続く。 1周目のダウンヒルストレートでは、水野が野左根をパスしてトップに浮上。 「ポールからのスタートだったし、最初からうまく前に出られたらプッシュして後ろを引き離そうと思っていました」(水野) ここで、中須賀も水野に続いて野左根をパスしたかったが、ここもてぎをホームコースとする野左根もいいペースで中須賀のパッシングを許さない。野左根は、中須賀とチームメイトだったヤマハ在籍時代にも、ここもてぎでたびたび中須賀を打ち負かしてきた。 「このレースのキーマンは野左根選手だと思っていた。水野選手が逃げ始めたから、僕も野左根選手をかわしたかったんですが、パッシングに時間がかかってしまって、その間に水野選手に逃げられてしまった」(中須賀) トップに立った水野は、言葉通りに序盤からハイペースで周回。徐々に2番手以降を引き離し、5周目には1秒差、7周目には3秒を超え、20周のレースが折り返しを迎える10周目には、その差4秒強。中須賀も、5周目に2番手に浮上して水野を追うものの、ハイペースで周回する水野に追いつけない。結局このまま水野が2位以下に4秒1の差をつける独走態勢でフィニッシュし、今シーズン初優勝を達成。ドゥカティ・パニガーレV4Rを全日本ロードレースに投入した4戦6レース目での初優勝で、外国車モデルによる全日本ロードレース最高峰クラスでの史上初めての優勝という記録を残すことになった。 2位に中須賀、3位にはレース後半で中須賀を追った岡本が入り、ここまで6レースすべて、この水野、中須賀、岡本の3人だけが表彰台に登壇。4位には序盤からトップグループを走ったものの、レース中盤あたりからペースを上げられなくなった野左根が入り、これで野左根は6レースで4度目の4位入賞。5位に津田、6位には名越哲平(SDGホンダレーシング)のアタックを退けた高橋が入賞。8位に伊藤和輝(ホンダドリーム桜井ホンダ)とのバトルを制した、BMW M1000RRを走らせる関口太郎(SANMEIチームTAROプラスワン)が入り、今シーズン初めてトップ10にドゥカティ、BMWという2台の外国車が入る結果となった。 ────────── 優勝 水野涼(DUCATIチームKAGAYAMA) ────────── 「優勝できて、本当にうれしいです。これまで、トップグループに加わりながら、勝てそうで勝てないレースが続いていたんですが、8耐を経て走行時間が増えたことで、またマシンが持っているポテンシャルを引き出せるようになったと思います。今年の前半戦の反省や課題を改良、それを少しずつ積み重ねてきたことが間違ってなかったんだな、と思っています」