金利変動に備えるには? プロが解説する「不動産投資のメリット・デメリット」
Q4.コントロールできない金利の変動などには、どのように備えるといいですか? A.不動産投資において、不確実な変数となり得るのは、売却時期・売却価格・金利の3つだけです。投資理論によれば、利益が一定なら、売却時期が遅くなればなるほど利回りは下がります。儲けが同じなら、早く儲かったほうがいい、ということですね。 ですから、それなりの時期が来たら売却して利益を確定させられる物件がベストですが、長期投資が前提なら、売却時期はそこまで気にする必要はありません。自分のライフスタイルに合わせて、現金が必要なときがきたら売れば良いでしょう。 売却価格については、数年後の価値がどうなるかわからないのは皆同じです。将来の売却価格を正確に予想しようとしても意味がありません。ただし、「売却時にいくらを下回ったら赤字になるか」という試算をして、ストレス耐性を計算しておきましょう。 最後の金利変動ですが、備え方としては、事前にいくらまでの金利に耐えられるかシミュレーションして、低金利での借り換え先となる地方銀行や信用金庫との取引実績を事前に作っておくことが必要になります。高金利の金融機関は自己資金が少ない初心者サラリーマンにも貸出の門戸を開いていることが多いので、最初はそうしたところで借り、慣れてきたら金利の安い金融機関を開拓して借り換える、ということが、金利上昇の防衛策になります。
成功確率を上げるために準備しておくこと
Q5.物件選びでは、どんなポイントに注目すべきですか? A.まず必須なのが、収益シミュレーション上で設定した想定賃料や空室率を達成できる物件かどうかを確認することです。売主が作成した想定賃料や空室率を妄信せず、賃貸仲介業者や管理会社にも見通しを聞くなどして、自分自身でもリサーチしましょう。もしシミュレーションよりも空室が多くなってしまった場合は、想定していた利益が出ないことになるので致命的です。 一方で、もともと空室が出る想定で買っているならば、空室が多少出ても問題はありません。地方などは満室にならない物件もありますが、空室が想定の範囲内なら満室と同じです。 とはいえ、賃貸需要が見込めない物件は絶対に買ってはいけません。大家業でもっとも大事なのは、賃料が想定通りに入ってくること。それ以外はいかようにでもなります。グーグルマップで見ると近隣が空き地や畑ばかり、「人生でこの場所に行くことは一度もないだろうな」という駅、駅前に不動産ショップがない駅――これらのエリアにある物件は、初心者の方でも簡単に候補から除外できるでしょう。 賃貸情報サイトで検索したとき、賃貸物件が供給過剰の場所もよくないのですが、これは初心者の方には見極めが難しいと思います。管理会社などにすぐに聞けるコネクションがあれば早いですが、ない場合も地元の賃貸業者を10件くらい巡ると教えてもらえます。金融機関と不動産業者のコネは、ある程度足で稼ぐしかありませんが、作っておいて損はないでしょう。