なぜラグビー元日本代表の五郎丸は22歳で決めた「35歳引退プラン」を貫いたのか?
代表には名を連ねなかった昨秋の日本大会ではNHKのナビゲーターーを引き受け、悲願のベスト8進出を成就させた日本の勇姿にファンと喜びを共有した。そして、組み合わせが決まったばかりの次回2023年のフランス大会で、日本はグループDで顔を合わせる。ヘッドコーチとしてラグビーの母国を率いるのは、恩師の一人であるジョーンズ氏だ。 「イングランドとの対戦が決まったことは、何かの宿命というものを感じますね」 思わず苦笑した五郎丸だが、気になることがひとつある。3年後のワールドカップを、どのような立場で見ているのか。注目されるセカンドキャリアは白紙だと、五郎丸自らが明らかにしている。 「引退後のことについては引退後に、自分の役目を終えた後に考えていきたい。私自身の性格として、2つのことを同時に考えられるような、そんな器用な人間ではないので」 来月16日に開幕するトップリーグ2021は2ステージ制で行われ、プレーオフを勝ち抜けば5月23日の決勝までシーズンが続く。できる限り長く現役としてプレーし、まだ見ぬトップリーグ王者のタイトルをヤマハへの置き土産とするための、五郎丸の最後の挑戦が幕を開ける。 (文責・藤江直人/スポーツライター)