成長を続けるBtoB-EC市場の基礎知識。歴史、構成する2つの種類、あまり知られていない市場規模の中身とは?
ほとんど知られていないB2B-ECの市場規模の数値の中身
最後にBtoB-ECの市場規模について触れておきたい。経済産業省発表の電子商取引市場調査によると、2023年のBtoB-ECの市場規模は465兆円、EC化率は40.0%である。前職時代にこの調査を長年担当してきた筆者として、この数値の注意点をお伝えしておきたい。 それは、465兆円という数値はEDI型のBtoB-ECの市場規模を合算しているものという点である。つまり、上述の小売型のBtoB-ECについては含まれていない。したがって、小売型のBtoB-ECを検討している事業者はこの465兆円、EC化率40/0%という数値は参考にならない。 筆者の推定では、小売型BtoB-ECの市場規模は約2兆円程度と大きくない。しかし、その分母は少なくとも30兆円を超えると見る。つまり、EC化率は10%以下である。20兆円を超える大きな伸び代があるということだ。もちろん業種によってそのポテンシャルは異なる点は留意していただきたい。
一方で、EDI型のBtoB-ECは465兆円と巨大市場であるものの、コスト面で躊躇している中小企業がいまだに多いと思われる。筆者の推定ではEDIの代替として安価なBtoB-ECを導入したいと考えている潜在的なニーズは、市場規模換算で465兆円の約1割の46兆円分はあるのではないだろうか。いずれにせよ、市場規模についてはあらためて別の会で触れていきたい。