次世代iPhone SEはやはり来春? 一歩先いくサムスンAIスマホに挑む
アップルはマーケティング資源の多くをApple Intelligenceに注いでいるが、ユーザーコミュニティは別のリリースを待ち望んでいる。 新たに明らかになったニュースによれば、iPhone SE発売が近づいていることが示唆されている。これはアップルが激しいミッドレンジ市場に参入し、Apple Intelligenceをより広いユーザー層に提供する契機となる可能性となる。 ■アップルはいつiPhone SEを発売するのか? Ajunewsに寄稿したイ・ソンジンによると、ハードウェアの主要サプライヤーの一社が12月に本格的な生産を開始する準備を進めているという。現在LGイノテックがiPhone SEのカメラに必要な複数の部品を製造している。LGイノテックがこれまでiPhoneが市場に投入される約3カ月前に生産を開始してきたパターンを考慮すると、第4世代のiPhone SEは。2025年3月中旬に発売されると予想される。 現在も販売中の前モデルであるiPhone SE(64GBのエントリーモデル)は429ドル(日本では税込6万2800円)、128GBモデルは479ドル(日本では税込6万9800円)となっている。一方、Pixel 8aは128GBモデルで499ドル(日本では税込7万2600円)とされているが、グーグルは早い段階から割引や高額な下取りオファーを提供しており、Pixel 8aの実質価格は3年前のSEよりも安くなる場合が多い。 アップルのコミュニティで過去のリリーススケジュールを覚えている人々は、その3月という日付が、暫定的なiOS 18.3のリリースと、Apple Intelligenceスイートの米国における最終的なアプリ群の提供開始と一致することに気づくだろう。これは2024年夏の世界開発者会議(WWDC)で提案された、生成AIの導入プロセスを完成させるものとなる。 アップルは競合メーカーに比べて、スマートフォンへの生成AI搭載が約1年遅れている。グーグルのPixel 8シリーズは2023年10月に登場し、サムスンのGalaxy AIは2024年1月に発売された。その後、グーグルはソフトウェアを更新し、現在は「Gemini AI」としてPixel 9シリーズに提供している。サムスンも2025年1月に第2世代AIへ移行する予定だ。アップルがApple Intelligenceで慎重に進んでいることを考えると、2025年上半期の間にこの差はさらに広がる可能性がある。 ■iPhone SEが「AIの差」を埋める方法 iPhone SEの発売は、アップルにとって技術的リード以上の価値をもたらす可能性がある。それは、より広く、より強固なユーザーベースを提供することだ。サムスンは非常に人気の高いGalaxy SシリーズでAI市場への早期参入を果たし、AI対応スマートフォンで82%の市場シェアを獲得している。 iPhone SEがアップルにとって3年ぶりのミッドレンジ市場向け新型スマートフォンとなることを考えると、同社は手頃な価格のiPhoneに対する欲求不満が解消されて、SEがベストセラーになることを期待しているはずだ。そうなれば、アップルはサムスンのAIにおける優位に立ちはだかり、サムスンを追い越す好位置に立つことも可能だろう。これにより、Apple Intelligenceの展開が遅く限定的であっても、AI搭載スマートフォンのトップシェアを確保することでバランスを取ることができる。
Ewan Spence