「生理の悩み、相談を」元プロサッカー選手、10代女子アスリートに体調管理をレクチャー
10代の女子サッカー選手を対象に、生理を含む体調管理の仕方を伝えるセミナーが東京都内で開かれた。元プロサッカー選手らが、プレーでパフォーマンスを発揮するためにも、体に関する正しい知識を身につける大切さを訴えた。 ■女性特有の健康課題を学ぶ セミナーは25日、東京都葛飾区を拠点とする女子サッカーチーム「ジェファFC Sonho」の活動の一環で行われた。同チームは年に1回、専門家から女性特有の健康課題について学ぶ機会を設けており、この日は中学生選手35人が参加。ジェファFCの李漢哲代表や男性コーチも同席した。 講師に招かれたのは、元プロサッカー選手で吸収型ボクサーパンツ「OPT」を開発した下山田志帆さん、内山穂南さんと、同区内の社会人女子サッカーチーム「南葛SC WINGS」で活躍する永木真理子選手。 さらに薬剤師で、ドーピング防止などの専門知識を持つスポーツファーマシストの砂本沙織さんが医学的な立場から解説した。 ■生理止まるのは「体からのSOS」 セミナーでは、中学生選手や指導者、保護者から寄せられた質問をもとに、講師陣がサッカー選手として生理とどう向き合ってきたのか、経験談を披露した。 「アスリートは生理が止まることが多いと聞くが、生理が止まるリスクは何か」との質問に、下山田さんと永木選手は口をそろえて「学生時代に生理が止まった経験がある」と告白した。 下山田さんは減量がきっかけだったと話し「生理がなくなり、体のキレが増し、いいことだと思っていたが、疲労骨折をして受診した際に、『生理が止まっているのが骨折の原因。どうして放置していたのか』と医師から指摘された」と振り返った。 薬剤師の砂本さんは「生理があるのは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が順調な証拠。エストロゲンは骨の生成に関与しているが、体重が減りすぎるとエストロゲンの分泌が止まってしまうことがあり、そうなると疲労骨折をしやすくなる」と説明。 「10代のうちは生理不順でも心配ないケースも多いが、生理が止まるのは体からのSOSだと意識し、6カ月以上なかったら、専門医を受診してほしい。特に骨量のピークは20歳前後といわれているので、睡眠と食事をしっかりとることが重要だ」と呼びかけた。