フランスの教育は日本とまったく違う! 義務教育は3歳から&小学校で飛び級・留年は当たり前。家庭環境や公立・私立に関わらず教育格差をゼロに。その結果は?
体育館なし、プールなし。体育の授業はどうなる?
さすが自由、友愛、平等の国の学校教育、と言いたいところですが、残念なことにハード面の方は日本に比べ、よく言えば無駄なくミニマム、悪く言えば質素です。 小学校、中学校の校庭には、日本のような広いグランドもなければ体育館もなく、当然プールもありません。体育の授業は、市のグランドや体育館、市営プール等を使用します。そのために生徒たちは、グランドやプールのある場所まで移動しなくてはなりません。移動手段はスクールバスや徒歩、メトロなど。というわけで市営プールは、小中高校の生徒たちが体育で利用する時間帯と、一般市民の利用時間が、時間割りで分けられています。なんと不便!
とはいえメリットがないわけではなく、市営プールは基本的に室内の温水プールですから、オールシーズン利用可能。雨だから今日のプールはなし、ということは起こりません。天候の影響を受けずに1年を通じて使用できるので、そのエリアの小中高校生たちが順番にプールを利用して水泳の授業を行うシフトづくりもシンプルです。この「あるものをみんなで活用する」精神は、既存施設を競技場にしたパリオリンピック・パラリンピックでも見られました。 日本の小中学校は校庭の一角に自前のプールを持っていて、とてもぜいたくなことですが、1年間で2カ月ほどしか使わないプールを建設し、それを管理・維持することは、非常に大きな負担を伴います。 では、学校にプールがない国フランスと、ある国日本では、水泳の能力に差が生じているのでしょうか? 2016年、フランス国立公衆保健庁がフランス本土に住む15~75歳に行ったアンケート調査によると、83.7%以上が泳げると回答(50メートル以上泳げる人は69%)しています。また2019年にOECDが行った国別調査の、水泳ができる15歳以上の割合を見ると、日本人はフランス人より少なく約60%。学校にプールがある方が水泳の技術が習得できる、というわけではないことがわかります。 2019年に行われた調査結果を見ると、泳げる人口(15歳以上)の割合はフランス80%、日本約60%。
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