「ケイセイを勉強のために投入するのは…」親友・河村勇輝はNBAデビューも…富永啓生なぜGリーグで苦戦? 出場機会を与えないコーチの真意
日本のバスケットボール界の未来を担う才能が、今、アメリカの舞台で切磋琢磨している。先にNBAデビューを果たした河村勇輝、それに続こうとアピールを続ける富永啓生(ともに23歳)。2人の現在地をニューヨーク在住のジャーナリスト杉浦大介氏が取材した。後編はGリーグで出場機会を得られていない富永の本音に迫り、関係者にリアルな評価も聞いた。【NumberWebレポート全2回の2回目/前編『河村勇輝が語る親友・富永啓生』も公開中】 【画像】「あれから6年…大人になったなあ」高校生“富永vs河村”が今見ても熱すぎる! 日本代表合宿で激写した“親友”すぎる漫画みたいな一枚、アメリカでの奮闘や激闘五輪&W杯も(50枚超) 「久々に会えてすごい嬉しいですし、よかったです。(河村が)来た瞬間、まずホテルの部屋番号は何って(言われて)……(笑)」 とにかく仲が良い河村勇輝の話になると、パッと表情が輝く富永啓生の笑顔が印象的だった。 フロリダ州オーランドにて、明るい未来を夢見るGリーガーたちが躍動した現地12月19~22日のGリーグ・ウィンターショウケース。各チームのスカウト、エグゼクティブが集ったステージは、高校時代からの親友同士であり、日本代表ではチームメイトだった富永と河村が再会する場でもあった。 「(河村は)カメラ前ではああいうタイプだけど、裏では違うんですよ。2人だと変わりますから。人格が違うから(笑)」 “河村選手と富永選手は性格的にかなりタイプが違うように思うけど”と振った際の、富永のそんな返しも秀逸だった。今後、日本バスケ界の中心人物であり続けそうな2人。オーランドではかなり長い時間を一緒に過ごし、富永の笑顔からはプレシーズン以来、久々に盟友に会えたことの喜びばかりが滲んだ。 しかし――アメリカでのプロキャリアを始めて2カ月が経ち、少なくとも現状ではこの両者の差はかなり開いてしまったのも事実ではある。 メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結んだ河村はすでにNBAデビューを果たし、Gリーグでも先発ポイントガード(PG)として7試合で平均13.7得点、10.7アシストと大活躍。最近では露出が増え、ウィンターショウケース中も頻繁にメディアに取り上げられていた。 一方、インディアナ・ペイサーズ傘下のマッドアンツに所属する富永は平均6.7分をプレーして同0.8得点。まだ存在感を誇示するには至っておらず、ショウケース中も20日のリオグランデバレー・バイパーズ戦ではわずか2分強の出場で無得点に終わった。何よりも目立つのは全16戦中5戦がDNP(コーチ判断での不出場)であることで、チーム内で信頼を得られていないという背景がはっきりと見えてくる。 “今季ここまでを振り返って”と尋ねた際の富永の表情は、河村との友情について話す際のそれとは大きく違った。23歳のシューターは唇を噛み、静かに話し始めた。
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