東大理三出身・佐藤ママの長女が語る、母の教育「いい大学に行ってくれたら自慢できるという感情は母には全くなかった」
佐藤:子どもたちのためになりそうと思うことはやっていましたけど、これをやっていても無駄だな、合わなそうだな、と思ったらすぐやめます。撤退するのは早い。 長女:そうそう。一生懸命問題集をコピーして、いっぱいノートに貼りつけたやつを私が一切興味を示さずに、1ページもやらなくても「あらそう、だめだった?」というだけでさっと引っ込める。そんなことは何回もありました。 佐藤:私はいいと思って、寝る時間も惜しんで3日ぐらいかけて作ったものなんだけどね。 長女:頑張って作ったんだからやりなさい、って言われたら反発していたと思う。勝手に作ったのはそっちじゃない、って。 佐藤:私はそれを自分の仕事として楽しくやっていたけど、それは効果がない、って言われてしまったら仕方がない。相手があることなんでね。 長女:よくも悪くも細かいことを気にしない。おおらかというか。 ――勉強しなさい、とは言われなかった? 長女:やはりきょうだいが多いというのが良かったと思っていて、時間が来るとみんなが一斉にやっていたので、勉強が生活の一部、という環境だったんです。勉強はつらいもの、という感じはありませんでした。 佐藤:そうね。お兄ちゃんたちは時間が長くて、あなただけはやることやったら遊んでいたりね。 長女:みんなやることをやれば遊んでよくて。兄たちを見ていたので、だんだんこうやって忙しくなるんだな、と心の準備をしていた感じですね。 佐藤:長男が中学受験のときに娘は年中だったんですよ。だから塾の説明会とかも全部連れて行って、隣で大人しくお絵描きとかしていました。だからいよいよ自分が入ったときはすごく嬉しそうにしてましたね。 ――子どもに干渉しすぎると教育虐待にみたいになってしまうし、塩梅が難しいという声もありますが。 佐藤:「干渉」というのは、相手の精神的なところまで入って、変えようとすること。それはダメだと思うんです。親と子どもは別の人格ですから。私はいろいろ子どもたちにやっていましたけれど、干渉はしていなくて、あくまで子どもたちがやりたいことをお手伝いしていたイメージなんです。親の管理下に完璧に置こうとするとうまくいかない。