紅白AKB48落選で振り返るモーニング娘。と揃い踏みしたころ
AKB48が紅白初出場、48グループの時代が始まる
大きく潮目が変わったのがAKB48が紅白にお目見えした2007年。ハロプロ勢はハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊として10回目の出場となるモーニング娘。に加え、初出場のBerryz工房、℃-uteというラインアップで「Special LOVE Mix ~幸せの平成20周年 Ver.~」をパフォーマンス。 そしてこの年“アキバ枠”と言われたが、前田敦子、高橋みなみ、大島優子ら人気メンバーを多数擁するAKB48がリア・ディゾン、中川翔子とともについに初出場を飾り、「日本が誇る最先端! スペシャルメドレー」を披露したのだった。AKB48の「会いたかった」に始まり、リアの「恋しよう♪」、中川の「空色デイズ」、そして最後は全員で「なんてったってアイドル」を歌った。 紅白恒例のリハーサル取材ではマスコミ各社がここぞとばかり、しきりに両陣営の対決ムードを煽るような質問を繰り出した。取材される側も、新参のAKB48に胸を貸す側に立ったモーニング娘。の高橋愛が「負けたくない」などリップサービスで大いに盛り上げたが、結果的にはハロプロの紅白出場はこれが最後となってしまった。 このとき初登場ということもあって、取材のフォトセッションにもAKB48は大人数で登壇。マスコミ向けのフォトセッションは通常、NHKホールのロビーに用意された専用のコーナーで行われるのだが、このときのAKB48はNHKホール出入り口側の大階段にズラリ並んで撮影。センターなど並び順が決まっていて準備に時間がかかり、メンバーの見分けがつかないカメラマンからは「早くしてよ」と愚痴が飛び出るほどだった。まさに大人数グループアイドルの時代到来を印象付けた光景だった。
今後は坂道グループの天下が続くか
その翌年の2008年は、ハロプロもAKB48も出場していない。モーニング娘。は連続出場が10回で途切れた。厳密にいうとハロプロのメンバーから里田まいが出てはいたが、ハロプロとしてではなく「羞恥心 with Pabo」として白組での出場だった。なおこの年はPerfumeが初出場を飾り、SPEEDが久々、9年ぶり4回目の出場をしている。 そして2009年はAKB48が2年ぶり2回目の出場。単独枠ではこれが初めての出場となり、ここから紅白連続出場が昨年まで続くことになるが、今年ついにその記録が途絶えた。48グループとしては、SKE48やNMB48、HKT48も過去出場を果たし、4組出場という年もあった。紅白における女性グループアイドルの一時代を築いたわけだが、今後の紅白女性アイドルは、坂道グループの全盛期が続くことになるのか。AKB48グループの巻き返しはあるのか。注目したい。 第71回NHK紅白歌合戦は「今こそ歌おう みんなでエール」をテーマに、今回初めて無観客で開催され、大みそかの午後7時半から総合テレビとBS4K、BS8K、ラジオ第1で放送される。 (文:志和浩司)