紅白、ジャニーズ7組出場に賛否 アイドル人気はNHKも無視できない?
大晦日に開催される第71回NHK紅白歌合戦の出場歌手が16日に発表されたが、ジャニーズ事務所に所属するグループが7組選ばれており、白組全21組のうち実に3分の1がジャニーズという状況に、ネット上ではジャニーズのファンも含めさまざまな意見が出ている。
同日に生配信ライブが決まった嵐
今年の紅白は全42組、そのうち初出場は紅組6組(櫻坂46、JUJU、東京事変、NiziU、BABYMETAL、milet)、白組3組(瑛人、SixTONES、Snow Man)の計9組。そのほか、朝ドラ「エール」の主題歌を務めるGReeeeNが特別企画枠で初出場するという。なんと50回目の出場となる五木ひろしや43回目の石川さゆりのような紅白常連の大御所からフレッシュな面々までバラエティーに富んだ顔ぶれともいえるが、音楽の好みが細分化される中で、良し悪しは別としても白組のジャニーズの多さはやはり目立つ。12回目となる嵐を筆頭に9回目の関ジャニ∞、4回目のHey! Say! JUMP、3回目となるKing & Prince、昨年に続き連続出場を果たすKis-My-Ft2、そしてSnow ManとSixTONESの初出場2組が揃う。 「7組出場は2015年、歌手デビュー35周年の近藤真彦が『ギンギラギンにさりげなく』で白組トリを務めた時以来ですね。今年CDデビューを飾ったSnow ManとSixTONESの2組は実際に曲が売れ、フレッシュさと話題性の面で期待度は高く、ジャニーズとしても紅白に出すことでハクをつけたいでしょう。嵐は年末で活動休止ということもあって区切りという意味合いはある。ただ、やはり大晦日に無観客での生配信ライブが決まって、紅白は中継出演という可能性が浮上してきました。ファンの間ではむしろ紅白より生配信ライブのほうに話題が集まっています」(スポーツ紙50代男性記者)
以前はジャニーズ枠も希少価値
ファンにとっては嬉しいラインアップだが、ネット上には「さすがジャニーズ」と喜ぶ声もあれば「7組は多い。スノスト(Snow Man、SixTONES)を出すならその2組分、ジャニーズ枠から減らしたほうがいい」といった意見もあるようだ。 「以前は紅白出場はジャニーズのグループにとってもハードルが高く、希少価値がありました。2000年代で考えると、2008年まではほぼTOKIOとSMAPの2組(TOKIO1組の年もあり)で、なかなか出場できなかった嵐など他グループのファンはストレスもたまり『上が詰まっている』という声もあったんです。そんな時代に応援していたファンからすると、たとえ曲が売れているにしてもデビューしてまもないスノストがいきなり紅白というのは納得いかないものがあるのでしょう。キンプリ(King & Prince)の初出場時もそういう声がありました。あとはジャニーズWESTやSexy Zoneなど出場できなかったグループのファンはやはりがっかりしているし、ジャニーズファンと一口にいってもどのグループのファンかで受け止め方は異なります」(テレビ情報メディア40代女性編集者) ただし紅組に目を転じれば、AKB48が出場できなかったとはいっても坂道グループは健在で、NiziU、BABYMETALなどアイドル性があってアイドルファンの支持を集める顔ぶれはそれなりに揃っている。 「やはりNHKとしては若い年齢層を紅白につなぎとめる意味でも、アイドル人気を無視するわけにはいかない。そんな中で、白組では男性アイドルのジャンルで一人勝ち状態のジャニーズに頼らざるを得ない面もあるのではと思います」(前出・テレビ情報メディア編集者) 確かにネット上の意見を見ていくと白組だけではなく「Niziuは時期尚早では」「新しいヒット曲のない歌手が出ている」など、いまに始まったことではないが紅白全体の選考基準に疑問を呈する声は少なくない。 今年のテーマは「今こそ歌おう みんなでエール」。新型コロナウイルスの感染拡大で世界が一変する中、アーティストたちの思いのこもった歌で日本中の視聴者にエールを送るという。7組のジャニーズグループが、果たしてそれぞれどのようにエールを送るか。 (文:志和浩司)