西武「#源田たまらん」で無失点記録継続中の平良“消耗登板”回避
左中間に打球が弾み、二塁走者の愛斗が三塁を回った直後に、最終回に備えて投球練習を開始していた西武の守護神、平良海馬がブルペンから姿を消した。 初回に大量6点を奪いながらも2回以降はスコアボードに「0」が刻まれ続け、その間にロッテに2点を返された。迎えた8回にもし追加点を奪えなかったら――。最終回に関する仮定の質問に、西武の辻発彦監督は迷わず答えた。 「4点差のままだったら平良で行く予定でした」 本拠地メットライフドームで19日に行われたロッテ11回戦。両リーグで最多タイとなる33試合の登板をすべて無失点で抑え、侍ジャパン入りも果たしたリリーバーをセーブがつかない場面で、登板過多を承知の上でマウンドへ送る継投を回避させたのは、新型コロナウイルス感染から復帰して2戦目のキャプテン、源田壮亮のバットだった。 三塁のエラーで出塁した8番・愛斗を犠打で送った一死二塁のチャンスで、代打・中村剛也が空振り三振に倒れた直後だった。ロッテの4番手・横山陸人が1-1から投じた、内角へ食い込んでくる148kmの直球に源田が食らいつく。逆方向へ弾き返し、愛斗を楽々と迎え入れるセンターへのヒットに辻監督も表情を綻ばせた。 「よく初回に大量点を取ると、なかなか点を取れない。これも野球あるあるだし、その間に2点取られたところでのあの1点は本当に大きかった」 ビッグイニングの口火を切ったのも源田だった。ロッテの先発左腕・中村稔弥が1-0からど真ん中へ投じた、143kmの直球を渾身のスイングでとらえる。打球が右中間を深々と破る間に、俊足を生かして悠々と三塁まで達した。 「ゲンさん(源田)が三塁までいってくれたので、気楽な気持ちで打席に入れました」 外野フライでも先制点が入る場面を、源田に感謝しながらこう振り返った3番・森友哉からは力みが消えていた。ベルト付近の外寄りへ甘く入ってきた141kmの直球は快音を残しバックスクリーン右に飛び込む先制の9号2ランとなった。 最初にホームを踏んだ源田は「(森)友哉がすごい。それに尽きると思います」と謙遜しながらも、両リーグを通じてトップとなる5本目の三塁打を振り返った。 「何とか塁に出ようと思っていたなかで、カウントも若かったので思い切り振り抜いたら打球がいいところに飛んでくれました」