2024年1月31日鎌ケ谷市きらりホールで「新しい国土形成計画と北千葉道路」と題して、講演会が開催されました。写真撮影の許可をいただき、参加してきました。

同時に、きらりホールロビーにはパネルでの、北千葉道路の概要などが展示されていました。

講演に先立ち、芝田裕美鎌ケ谷市長の挨拶がありました。元日に起きた能登半島地震で被災された方へ心を寄せて、これまでもこれからも北千葉道路に尽力される皆様に感謝したい、緊急輸送道路の確保のためにも、早期の全線開通をとの思いが伝わる内容でした。

来賓の挨拶に続き、千葉県より北千葉道路の進捗状況の説明がありました。北千葉道路は、市川市と成田市を結ぶ全長およそ43キロメートルの道路です。昭和からの構想のもと整備が進められている北千葉道路は、現在、印西市から成田市の13.5キロメートルについては、国と県が協同して整備を実施しています。暫定2車線で開通している部分、現在整備を進めている部分があります。

市川市・船橋市・松戸市・成田市・鎌ケ谷市・印西市・白井市の沿線市と協力して、同日も開催されていたパネル展などの広報活動が実施されてきました。

県としても力を入れているビッグプロジェクトであり、1日も早い全線早期開通に大きな期待。誇りと使命感を持って取り組んでいきたいと説明がありました。

国土交通省関東地方整備局首都国道事務所の担当者からも進捗状況の説明がありました。地域の安全・安心に貢献できるよう事業に取り組んでいるとのことです。

敬愛大学教授　根本敏則氏による講演が始まりました。講演は、まず国土計画と高速道路計画が説明されました。

1962年（昭和37年）の高度経済成長の時代背景を受け、地域間の均衡ある発展を目指し、1966年（昭和41年）に全国各地から概ね2時間以内で到達できる高速道路ネットワークの構築が計画されました。その後、1987年（昭和62年）に全国の都市・農村地域から概ね1時間程度で利用が可能となる幹線道路ネットワークへ、高速道路予定路線が21年前の7600キロメートルから11520キロメートルに、新たに一般国道自動車専用道路2480キロメートルを追加することが計画されました。

時代が進み、2023年7月に定められた新たな国土形成計画では、人口減少下でのコンパクトプラスネットワークがキーワードとなり、北千葉道路を含む地域高規格道路などもより高いサービスが求められる高規格道路ネットワークとして再整理が計画されました。

海外の有料道路の整備状況などについても分かりやすく説明がありました。現在首都圏では赤い矢印で示された9つの放射状の道路が整備されています。北千葉道路は青い矢印で示される部分で、整備された際には放射線の1つとなることが期待されます。

この地図では1キロメートル掛ける1キロメートルのメッシュ状に区切られた場所から、高速道路までのアクセス時間が色で表示されています。北千葉道路が計画されている場所は、薄い色で塗られた地域が多く、高速道路から30分程度かかることが分かります。

千葉県北西部の交通課題として、示された図です。船橋市、市川市、習志野市、鎌ケ谷市、松戸市は、大きな人口を抱える地域であり、交通量も多く、渋滞を示す赤の丸が多くついています。

北千葉道路の整備効果は3つ紹介され、1つ目は、周辺道路の渋滞緩和があげられていました。これまで渋滞はしょうがないものと思っていましたが、解消の為、開発が進むのは沿線地域の住みやすさにもつながると感じました。

2つ目は、渋滞が要因の一つとして考えられる国道464号線の追突事故の削減などにつながる、交通事故の削減があげられていました。3つ目は、地域産業の支援につながることがあげられました。講演は、非常に分かりやすく、有料で道路を整備することの重要性なども説明がありました。

元日に起こった能登半島地震でも、道路が災害の影響で通行が出来なくなり、物資や人の輸送ができないことが伝えられました。防災機能の向上も期待される北千葉道路、これからの事業が円滑に進み、早期に全線が開通するのが待ち遠しいです。

「新しい国土形成計画と北千葉道路」
日時：2024年1月31日（水）14：30～16：50
場所：きらり鎌ケ谷市民会館きらりホール
北千葉道路の概要はこちら