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湯浅誠

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社会活動家・東京大学特任教授

報告

「過労死等防止対策推進法」に基づく「過労死等防止対策白書」が出た日に発表された。 この法律は、1991年以来活動を続けている「全国過労死を考える家族の会」などが苦渋の思いで通した法律。 本当は、長時間労働規制を求めていた。しかし当時、その機運は盛り上がっておらず、残念ながら「理念法」に留まることを受け入れざるを得なかった。 同白書は、厚労省が「過労死ライン」に定める月80時間以上の残業を正社員が行っている会社は、依然として22.7%あると報告。「情報通信業」では4割を超えていた。 過労死・過労自殺のリスクにさらされている人たちが膨大にいるということで、ここに手を付けなければ、今回の電通新入社員のような悲劇は繰り返される。 長時間労働規制に対する機運は、現在、かつてなく高まっている。 この機を捉えるか、逃すか、重大な分かれ目だ。 政府の「働き方改革」がこの問題に踏み込むことを望む。

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コメンテータープロフィール

湯浅誠

社会活動家・東京大学特任教授

1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に携わる。1990年代よりホームレス支援等に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。現在、東京大学先端科学技術研究センター特任教授の他、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長など。著書に『つながり続ける こども食堂』(中央公論新社)、『子どもが増えた! 人口増・税収増の自治体経営』(泉房穂氏との共著、光文社新書)、『反貧困』(岩波新書、第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)など多数。

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