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吉田徹

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同志社大学政策学部教授

報告

補足人生は無理すると、必ず詰め腹を切らされるものだーーサルコジ元大統領をみているとそんな感慨に襲われる。 サルコジは若くしてパリに隣接するヌイイ市長として注目された後、政略的な結婚や引き立て役を政治的に抹殺することで、大統領の座まで登りつめた人間だ。ヌイイ市長選を準備していた保守政治の重鎮の選挙参謀となったものの、彼を立候補断念に追い込み、前市長の姪と結婚して、その後早々に離婚し、人気司会者の夫人だったセシリアと再婚した。根っからの政治的動物である。 2007年の大統領選をめぐっては、リビアのカダフィ政権からの違法献金疑惑があり、これについても裁判が始まる予定だ。その他にも資金流用をめぐる疑惑は度々指摘されてきたが、これも同氏の権力欲の賜物だろう。 ハンガリー系移民2世で、他のエリートたちに比するだけの学歴もなく、その言動がしばしば小馬鹿にされてきた人物なりの復讐の仕方だったのかもしれない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 今井佐緒里

    欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

    補足サルコジ氏に対する汚職の告発は、数が多くて正直覚えきれない。 今回の判決は、彼が関係する別の事件につ…続きを読む

コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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