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吉田徹

吉田徹

認証済み

同志社大学政策学部教授

報告

補足内外からの批判が多かったマクロンの現地派兵だが、今週の英エコノミスト誌のロングインタビューでも、改めてその可能性を示唆したことで、さらにロシアからのけん制を呼び込むことになった。 ただしマクロンは当初からフランス単独での派兵を想定しているわけではなく、NATOやEU同志国との共同作戦を念頭に置いている。すでにマクロン発言には同盟国から批判が出ているから、実現する可能性は低い。核使用を示唆するプーチンのロシアに対して、核反撃をちらつかせるわけにはいかないから、プレッシャーの応酬と見た方がよいだろう。「オーバーステートメント、アンダーデリヴァー(過大な約束、過少な提供)」とは、マクロンを長年観察したジャーナリストの言葉である。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鶴岡路人

    慶應義塾大学総合政策学部准教授

    解説仮に本当にフランス軍がウクライナに展開し、ウクライナ軍を支援する状況になれば、ロシアの標的になるのは…続きを読む

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説マクロン大統領の発言が波紋を呼んでいるが、仮にフランスが標的になり、攻撃を受ければ、北大西洋条約第五…続きを読む

コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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