見解3年間で53人もの負傷者が出ている事態は、看過することはできない。被害を出しているイルカは同一個体と考えられている。イルカには悪意はないだろうが人慣れして、被害が拡大している。突然、背後から体当たりをされた、いきなり手を噛まれたなどの被害も報告されている。イルカの動きは早く、見つけてから逃げるのでは遅いこともあるようだ。安全な海を守るために、該当するイルカに対する早期な対応が必要だ。 このまま、このイルカを放置していると被害が拡大し、イルカに恐怖を感じる人が増えてくるだろう。別の地域では、漁業の邪魔になるイルカを害獣と考えている漁業者もいる。 イルカと人間が共存するためには、イルカによる被害を未然に防ぐ施策が必要だ。まずは、福井で被害を出しているイルカを穏便な手法で、この海域から他の海域へ移すことも検討すべきだろう。大事故が起きてからでは遅い、早期の対応が必要である。
コメンテータープロフィール
東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。
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